博愛新聞 平成21年 8月号 (第123号)
眼科で一番警戒するステロイドの副作用は緑内障です。緑内障の原因は一般に不明ですが、ステロイドによっておきる緑内障がステロイド緑内障です。強いステロイドの点眼を1日4回2週間続けると2~3%の人では眼圧が上昇しはじめ、1ヶ月以内で眼圧が50(正常は10~20前後、単位はmmHg)くらいになることもあります。しかし、そのような強い副作用が出ていても、自覚症状は全くありません。さらに点眼を続けていると、2~3ヶ月以内で、急激に視野が狭くなりますが、視力は1.0以上を維持しますので、気づかないことが多いのです。さらに点眼を続けていると、1~2ヶ月以内で視力も落ちて失明します。失明してしまったら、それからステロイドの点眼を中止しても、失明したままです。また、視野が狭くなった時点で点眼を中止しても、狭くなった視野は一生回復しません。
したがって、ステロイド点眼(点入)開始後2週間で、眼圧検査が必須となります。強いステロイドほど、点眼(点入)回数が多いほど、継続期間が長いほど、眼圧が上がりやすくなります。点眼と、眼軟膏の結膜への点入が最も眼圧が上がりやすく、つぎに、まぶたに眼軟膏をぬる場合です。また、ステロイドの点滴・内服やステロイド軟膏をまぶた以外の皮膚にぬる場合でも、頻度はずっと低いですが、やはり眼圧が上がる副作用がありますので、長期に継続して使用している場合は、定期的な眼圧検査が必要です。
ステロイドで眼圧が上がった人は、その後も一生、原則的にステロイドで眼圧が上がりますので注意して下さい。ある程度強いステロイドの点眼を2週間継続使用しても眼圧が上がらなかった人は、その後も眼圧は上がりづらいといえますが、1~2ヶ月以上してから眼圧が上がってくることもありますので、ステロイド使用中は定期的な眼圧検査がずっと必要です。
私の医療体験 | 事務長 井出恵美子 |
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今春、新しい命を授かりました。現在7ヶ月になります。院長先生はじめ職場の方々や家族、友人など、周りの支えのお陰で無事に週数を重ねています。
第一子を出産してから4年がたちます。その間に相次ぐ産科の閉鎖など出産をめぐる環境にも変化がありました。そんなことを知る度に、もし二人目を授かった時には大丈夫だろうか?と不安でした。しかし幸いなことに今回も自分の希望する病院で受け入れてもらえ、そして前回の時と変わらぬ診療を受けることができています。不安なくお産に望めるのは本当に有難いです。
また4年前に生まれた長男には喘息と食物アレルギーがあります。現在は発作も起こさず安定しています。しかし2歳頃までは発作を起こし、家で対処できない時には、夜間や休日に診察してもらったことも何度かありました。初めての子育てで不安でしたがとても心強く感じ治療の後は親子3人で安心して帰ったことを覚えています。
私達が生活していく上で医療は必要不可欠です。出産、子育てを通してあらためて医療の大切さや、どれだけ自分が恵まれた環境にいるかを実感しました。どこに住んでいても誰でも安心して医療が受けられるそんな世の中になることを願っています。
院長の一言 | 希望すれば、誰もが最善最良の医療を受けられる社会であってほしいですね。きれいな空気と水があって、安定して仕事ができれば理想です。 |
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