博愛新聞 平成21年 7月号 (第122号)
通常、角膜は半球形のドームのような形をしておりますが、とんがり帽子のような円錐形に少し似た形になっている角膜を円錐角膜といいます。しかし、よほど進行しない限り、肉眼でわかるほどの円錐形にはなりません。肉眼では正常の角膜と区別がつかないケースがほとんどです。
円錐角膜は原因不明の疾患で、男性に多く遺伝傾向は低く、顔面のアトピー性皮膚炎の人にやや多いため、目を強くこすったりすることが誘因ではないかとも言われています。発症は10~30 歳に多く進行性ですが、個人差が強くほとんど進行しないこともあります。まれに、どんどん進行し角膜に穴があくこともあります。こうなると角膜移植をしない限り、失明します。
10~30 歳台の急激に進行する乱視や近視でメガネで良好な視力が出ない場合は、時に円錐角膜の可能性がありますので、
角膜形状解析検査をするとよいでしょう。痛くもなく数十秒で終わる検査です。この検査で円錐角膜であるか否かをすぐに判定できますが、ごく初期の円錐角膜の場合などは、例外的に経過観察しないと判定できないこともあります。
治療はハードコンタクトの装用です。非常に進行するとハードコンタクトでも視力が出なくなります。進行を予防する方法はないのですが、円錐角膜の人は生まれつき角膜が弱いと考えられておりますので、普通の人以上に目をこすったり押したりしないことが勧められます。この場合でも角膜移植するとハードコンタクトで良好な視力が出ます(90%)。
| つれづれ思うこと | 技師長 清水しげ子 |
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母が恍惚の人となってもうひと昔経ってしまいました。微熱が続くとのことで久しぶりに母の所に行きました。母の入所している施設の、ごく一般的な家庭を思わせる玄関の引き戸を自分の家の様な感覚でがらがらと開けます。すべり易い廊下を進むと左右に認知度の低い人の部屋。そして食堂をはさんで重度の人達の部屋があり、母の部屋は一番奥にあります。母の部屋も皆と同じ様に太陽がふり注ぐ南向きで暖かくなっています。壁には元気だった頃の写真と、にこにこしている父の写真が飾ってあります。寝たきりの状態なのに床ずれもなく、おむつなのに臭いもありません。本当に良くみていただいていると感謝の気持ちでいっぱいになると同時に、入所を待っている数多くの人達、その介護をしているご家族の方々のご苦労を思うと複雑な気持ちになります。
動きの止まった筋肉は固くなり、手も固く握ったままです。小さく小さくなってしまった母のその手を触ります。そして一本一本解こうとするのですが駄目です。私の声は心に届いているのでしょうか?それでも 「しげこだよ」 と話しかけます。生かされているだけの母。固体としてそこに居るだけですが、存在そのものが私にとっては嬉しいことなのです。食事はもちろん流動食で注射器で押し込みます。母は無意識?に、しかし赤子のように食します。切なくて哀しくもあるのですが、それでも長生きして欲しいと思っています。 「また来るね」 と話しかけ母の部屋を後にしました。
| 院長の一言 | 今、日本で、介護施設の不足が深刻な状況となっております。現在、入所している方の家族が入所待ちの人達に気がねしなくてもすむような福祉国家となってもらいたいです。 |
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