博愛新聞 平成20年 5月号 (第108号)

眼圧の日内変動について


 眼圧の正常値は約10~20(単位はmmHg)ですが、一日の内でも5くらい変動します。一般的に、午前9~12時に最も高くなり、夜中の0~3時に最も低くなりますが、約3割の方は、午後9時から午前6時の夜間に眼圧が最も高くなっています。
 緑内障の進行速度は、一日の最高眼圧に最も依存します。また、緑内障は、視神経障害(又は視野狭窄)が高度であればあるほど、より低い眼圧でも進行します。従って、初期緑内障では一日の最高眼圧を約20以下に、中期緑内障では約15以下に、末期では約10以下にする必要があるといわれております。一日の眼圧変動の幅は5くらいですので、初期緑内障では、昼間の眼圧が15以下であれば、仮に最高眼圧が夜にくる方でも20以下と予想されますので、夜の眼圧を測らなくてもよいでしょう。同様に、中期緑内障では昼間の眼圧が10以下、末期では昼間の眼圧が以下なら、夜の眼圧を測らなくてもよいでしょう。特に、眼圧の日内変動を測定したほうがよい場合は以下の三つです。

①昼間の眼圧が25前後だが、視神経も視野も障害がない。
②無治療で昼間の眼圧が20以下だが、視神経や視野に障害がある。
③最大限の点眼と内服で昼間の眼圧が10以下なのに緑内障が進行する。


当院での眼圧の日内変動測定は、午後6時までに入院し、午後6時から約3時間おきに翌日の午前6時まで眼圧測定します。用事のある方は午前6時の測定後に退院(結果は後日に判定)できますが、用事がなければ、午前9時の診察まで待っていただき、そこで判定します。

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私の医療体験 看護師     小松幸恵 

 佐久に引っ越して来て間もない頃、40度の高熱を出した事がありました。40度も熱があるとフラフラで起きているのがやっとです。病院へ行き、体温を測り問診を書いて看護師さんにわたしました。「では、座って待っていて下さい。」それから一時間程して診察室へ・・・。先生より「かぜですね。手を洗って、うがいして寝て下さい。」グッタリして帰宅しました。
 次の日も熱が下がらず、食事もとれなくなり近所の病院へ。看護師さんに体温計をわたすと「40度もあるの?つらいでしょう。少し横になって待っている?」そう言われた時、私のつらさをわかってくれてうれしくなりました。先生にも「これじゃ、ごはんも食べられないでしょう。点滴しようね。」 病院から帰る時には、点滴したからだけでない元気をもらって帰りました。その時、言葉がけって本当に大切だなと改めて思いました。私も看護師として、患者さんの立場に立って言葉をかけられているだろうか? と考えてしまいました。
 これから忙しい事もありますが、患者さんは何がつらいか。何を思っているのか考えながら仕事をしていきたいと思います。

院長の一言 熱がつらくて受診したのですから、早く熱を下げないと患者さんは満足しませんね。ただ、熱を下げないほうが良い場合もあります。心をこめて相手の身になってお話すれば、熱を下げなくとも患者さんは満足できるのですね。