博愛新聞 平成11年12月号
体で一番気になる存在は、目です。私達は、ついつい、手が目にいってしまいます。しかし、目にとっては、そっとしてもらうのが、一番良いのです。
目を強く押すと、目の中の血流が止まり、網膜動脈閉塞症で、4〜5分で失明してしまうことがあります。また、目を押すことは眼球打撲と同じであり、多少とも、網膜剥離や白内障になりやすくなります。さらに、目を押すと、一時的に、眼圧が上がますので、緑内障の進行を早める可能性があります。
私達は、目がかゆいと目をこすりたくなります。目をこすると気持ち良く、目のかゆみを忘れます。しかし、目をこするという刺激が、炎症を長引かせ、かゆみを持続させるのです。アレルギーの原因が何であれ、アレルギー性結膜炎の治療の基本は、目をこすらないことなのです。
一般的な結膜炎と麦粒腫(ものもらい、めかご)は、細菌性感染症です。これは、接触感染といって、さわることでうつるのです。患者さんが目をさわると、手に細菌がつきます。その手でタオルやドアのノブなどにさわります。そこを、他の人がさわり、他の人の手に細菌がつきます。その手で、自分の目をさわった時に初めて感染するのです。はやり目(流行性角結膜炎)は、ウィルス性感染症で非常に伝染しやすく、時には、学級閉鎖になるくらいです。しかし、これも、接触感染なのです。だれもが目をさわらなければ、はやり目でさえも、うつらないのです。
目を押さない、こすらない、さわらない、これを守れば、日本の眼科の患者数を2割減らせます。