コラム 31



[耳に人体を投影するさかさま胎児]
『おせっかい』ジャケット解析 [翻訳版]
(English is here


[ジャケット表面] 『おせっかい』ジャケット表面

[ジャケット見開き] 『おせっかい』ジャケット見開き状態


私はアルバム『おせっかい』のジャケットに関し、はばかることなく前代未聞の初の仮説を唱えた人間である。
そのジャケットはクローズアップされた人間の耳と波紋のデザインである。なぜ耳なのか。それを作ったストーム・ソーガソンでさえジャケットの意味を理解することができないと言った。しかし私は1996年に独自でこの難問を解いたのだ。
私はそれが、抜け落ちた後の胎児の抜け殻、あるいは胎児の鋳型の子宮、という仮説を立てた。つまりそれは耳のように見えるが、耳でない。妄想だろうか、それともこじつけの解釈、または偶然の一致だろうか。いや、ついにここに、少なくとも耳が胎児の暗喩になりうるという客観的な根拠を示すことができるのである。



※専門的な事柄を海外向けに作るため、まず英文ページ《Spectroscope 12》を作りました。耳介療法に関する英文ウェブサイトをたくさんチェックして、ふさわしい英文テキストを引用として羅列することにしました。そうすれば下手な翻訳を避けられるからです。したがってこちらの《column-scope》はその翻訳になります。


ポール・ノジェ博士のオリキュロセラピー(耳介療法)

ノジェは人間の耳の形が胎児に似ていることに注目した。以下にいくつか引用しよう。


オリキュロセラピー(耳介療法)※これは医大のカリキュラム内の記述と思われる。

このコースは外耳の指圧のツボに関して、より深い理解を学生に提供する。外耳は音を聞き取るためのものとして2000年以上前に古代の医者やヒポクラテスやガレノスに知られていた。しかしそれは、フランスの神経科医ポール・ノジェ博士が耳の治療の現代的なシステムを発表する1957年までのことだった。ノジェは人間の外耳の形がさかさま状態の胎児に似ていることに注目し、耳が全身・脳・胴・四肢のレプリカであるということを発見した。それぞれの体の部位には耳の上に対応するポイントがあるのである。研究は耳介療法の精度と疼痛抑制におけるその効果を確認するUCLA(カリフォルニア大学)で行われた。多くの病弊と体調は耳介療法によって効果的に治療することができる。耳(耳介)は神経生理学を経由した脳全体の機能への入口である。
(http://www.westbrooku.edu/HTML/add.htmより/今井訳)


下はポール・ノジェ博士著の『Auriculotherapy〜オリキュロセラピー』の本の表紙。

nogier_book
(http://www.redwingbooks.com/products/books/HanAur.cfmより)


さらにもう一つの説明がある。


1950年代、耳の鍼師は耳のポイントの適用の観察と要約化に注意を向けた。1956年には急性扁桃炎の治療に耳のポイントを適用する論文が発表された。1958年12月、シャオ・ショーリンはフランスの医学博士ポール・ノジェの発見を翻訳して紹介した。それは「外耳は単に凸凹の軟骨組織でない。それは内臓と密接な関係がある。内臓に障害があれば対応する反応は外耳に現れる」というもの。ノジェは「逆さまの胎児の投影」とみなされる耳のポイントのマップ(分布図)を最初に提唱した。
(http://www.auriculotherapy-intl.com/research.htmlより/今井訳)


人間の耳の形は単に胎児に似かよっているだけではなく、全身に相当する大宇宙であった!


耳介療法とは何か?

耳介療法は伝統的な中国の鍼治療において、最も重要な構成要素の一つである。それは身体のさまざまな器官と経絡を刺激するために、外耳のどこを使うかという専門化された形式である。耳は逆さ状態とはいえ子宮内の胎児に相当する。大宇宙の中の小宇宙——耳は全身に相当するのだ。
(http://bouldervalleyacupuncture.com/auricular.shtmlより/今井訳)


「耳が単なる集音器であるならば、耳が胎児の形である必要はないでしょう*」と鍼灸師・村山哲郎氏は言う。まったく同感だ。

* 戸塚鍼灸院(http://homepage1.nifty.com/totukahp/kinomori.htm)より/ノジェ博士のオリキュロセラピーを紹介するわが国唯一の専門ページ

上記のウェストブルック大学のウエブサイトは「耳は全身・脳・胴・四肢のレプリカである」と述べるが、それはレプリカというよりもむしろミニチュアである。ミクロコスモスであり、部分が全体と似ている図形をなすフラクタルでもある。そして、これには入れ子の観念にも関連する。耳はミクロコスモス(縮図)に織り込まれたマクロコスモス(拡大モデル)であり、ピンク・フロイドが歌いプレイした世界もまたミクロコスモスに織り込まれたマクロコスモスである。なんともフロイド的な概念だと思わないか?

fetus+ear

この画像はポール・ノジェ博士著『Auriculotherapy〜オリキュロセラピー』からの引用。逆さ胎児マップのイラストはここに


ところで、私の著書の自作のマーク(アイキャッチャー)は外耳波紋胎児迷宮ト音記号を象徴したものだ。ピンク・フロイドの音がへその緒を通して、外耳から内耳(迷宮)へ螺旋下降する。

eye_catcher

meddle_anime
  • 左の自作のアニメは、厳密に言えば誤りである。胎児の頭は耳たぶの上に来なければならないが、そうすると頭はジャケットから突き出てしまう。もし頭が耳たぶの上に来れば、へその緒は耳の穴の上に来るはずだ。
  • ノジェ著の表紙にある耳と胎児の合成イラストは、胎児が透明で重なっているので奇妙な模様のように見えてしまっている。そこで、その耳と胎児を分離させアニメ化したものが右のアニメ。未熟な胎児は頭が大きいが、この四肢の大きな胎児は臨月のものだろう。へその緒はちゃんと耳の穴の上にある。
  • ウーン、とはいえ、このさかさま胎児の耳にもさかさま胎児が乗っているのだろうか。

なぜ私はジャケットが胎児だと感じたか? 「エコーズ」が胎児が夢見る詩だと知っていたからである。「エコーズ」を聴きながら胎児期の記憶を呼び起こし、子宮に戻ったからである。私の解釈によれば、ピンク・フロイドの「Embryo (胎児)」という曲は(日の目を見なかったが)、子宮を覗き込んでいる外側の曲である。ところが「エコーズ」は子宮から外を見ている内側の曲である。詳細は私の著書に委ねる。

もちろん耳は胎児でなく凹形である。つまり、それは彼/彼女の部屋としての母胎であり、水の波紋は羊水を連想させる。これでストーム・ソーガソンが納得いくといいのだが……。



Special thanks: [戸塚鍼灸院] http://homepage1.nifty.com/totukahp/index.htm



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