Shadow Man by Mick Taylor
Mick Taylorの新譜。  もう、好きな人は買ってとっくに聞いちゃったと思うけど、一応。

 まず、今回のアルバムで何が特徴的か。 いやぁ〜、ジャケット写真でこんなに幸せそうなMick Taylorは見たことがない。 幾つか彼のCDは持っているけれど、どれも"Rolling Stonesを飛び出した孤高のギタリスト"的な陰がどうしてもつきまとっていた。

 思うに、いままでにないくらいにBandという形態を打ち出し、ボーカルを敢えてSashaに譲り渡し、Bluseのセッションギタリストとしての自分の持ち味をひきだした結果が、幸せそうにレスポールをかかえた今回のジャケ写真に象徴されているのではないのかと。 多分、いままでの彼のCDに慣れている人は、今回のCDはとまどうかもしれない。 いままでは、南部系のブルースやフュージョンぽいナンバーとかで始まり、Stones Numberで締めることが多かったから。

 大胆かつ大雑把にいえば、今回のCDはStones系(というと語弊ありありだが、)の、ホーンセクションを含んだ、Taylorならではのジャンプするナンバーと、クラプトンの一番弟子とも言われるこれまたTaylorならではのブルースのナンバーの二つのラインから成り立っている。

 人一倍シャイなのに、世界的ロックン・ロールバンドの一員になってしまった、よく指摘される彼の二面性。彼は多分これまで二つの自分の間で悩んでいた。だが、時代は彼に一つの答えを与えてくれた。「開き直って、どっちの自分も認めちゃえよ」と。

 アナログ盤の時代ならアルバム全体の構成を考えかつ、シングルカットの心配までしなければならなかった。しかし、今やデジタルの時代。彼のブルースだけ聞きたい奴は、CDプレイヤーでそれらの曲だけ選択して楽しめばよい、という聞き方ができる時代だ。Sashaのボーカルもミスマッチじゃないと思うし。

 ちなみにうちのホームページのBlue Wonderの曲もこういうMick Taylorを待ち望んだ曲。(すごい手前味噌だけど)ひたすら弾きまくるTaylorと、ひたすらけしかけるKiethが意地をぶつけあって曲を作ったら、こんな感じかなと。



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