予想通りの展開“浅川の整備計画認可申請「8月は厳しい」” (2004.4.24,28,30)
4月24日付けの信濃毎日新聞に、次の【 】内にある記事が載った。
【浅川の整備計画認可申請「8月は厳しい」県河川課長
浅川(長野市)のダムに替わる治水対策の全体像を示す河川整備計画を国に認可申請する時期について、小林正登・県河川課長は二十三日の県会土木委員会で「(目標としていた)八月は厳しい」との見方を示した。
ダムに替わる治水対策案のうち、河道内遊水地(穴開きダム)に対しては、二十日の流域協議会でも住民らから異論が相次いだ。小林課長は「先日の協議会でも課題が予想以上に多かった。どう進めるか、もう少し(県)内部でも話をしなくてはならない」と述べた。
一方、県は浅川で本年度、認可が要らない、ダムを前提にした従来規模の河川改修事業を四年ぶりに再開する。
浅川と同様にダム建設を中止した砥川(諏訪郡下諏訪町)について県は当面、五十年に一度の確率で降る大雨に対応する河川改修のみの河川整備計画を作る方針。土木委で「流域協議会の提言でも河川改修を先行するよう言われており、課題は少ない。八月を目標に申請したい」とした。
この日は三月に委員構成が替わって初の土木委員会だった。】筆者は、青山出納長への公開質問状で、「8月までに国に申請するということについて」という項目を設けて、次の『 』内のような質問と指摘をした。
『貴職は…、来年度着工というのは何時なのかという質問に、次の【 】内のように答えておられます。
【河川改修というのは梅雨から台風の季節という時期には無理なわけですよね。いずれにせよ、早くても秋から冬というのが河川改修工事の一応の原則で、…少なくともそういう時期に着工できるような目標で進んでいきたいと思っています。】
また2月6日の土木住宅委員会で、河川課長は、「(今年)8月までには申請していきたい」と、答弁しています。しかし昨年11月17日の関東地方整備局からのFAXで指摘されています、科学的な数値的裏付け、ため池の管理上の諸問題の具体的な解決、地元に対する適切な説明責任の遂行、低水計画への対応方針の明確化などという難題解決の見通しの根拠があって言っておられるのでしょうか。2月19日の土木住宅委員会で、河川課長は、具体的な根拠の提示はなく、4、5月に詰めれば何とかなるという、気持だけのお粗末で、無責任な答弁をしています。まったく根拠はないではないですか。これまでもそうだったのでありますが、無責任な発言を繰り返すことに慣れて、感覚が麻痺してしまっています。認可が受けられるような申請はできないことは火をみるより明らかで、その場合も、今回と同じように、ただ延期するつもりなのでしょうか。それはもう許されませんが、どう責任をお取りになるおつもりなのでしょうか、明確なご回答をお願いします。
もし、前述の国土交通省の極めて当然の指摘を満足し、説得力のある代替案だと客観的に認められるものが提示できないままなのに、地元の代表の了解が得られないから、申請がまた延びざるを得ないなどと言って、県の責任ではないとされるつもりであるとすれば、単に努力をしているというポーズを示し、他人に責任を転嫁しようとする無責任極まりない、田中県政の象徴的やり方だと、予め指摘しておきます。』これに対して最初回答がなく、再質問に対しても、《説明に偽りがないことは十分ご理解いただけるものと考えております。今後も流域協議会等で県民の皆様と真勢に意見交換を行いながら、新しい治水、利水の対策を早期に具体化することが、県の責任を果たすことと認識しております。》と、わざと質問の趣旨を逸らし、まともな回答をしていなかった。
昨日の河川課長の「(目標としていた)八月は厳しい」という説明は、質問状で予測した通りの展開で、以前の答弁と違うことへの責任意識はどこにもない。「先日の協議会でも課題が予想以上に多かった。」と言っているが、そんなことが予想できないような、無能極まりない人物に、高給を支払う余裕は、今の長野県にはない。即刻職員を辞めてもらわなければならない。次に、砥川について、“当面、五十年に一度の確率で降る大雨に対応する河川改修のみの河川整備計画を作る方針。土木委で「流域協議会の提言でも河川改修を先行するよう言われており、課題は少ない。八月を目標に申請したい」とした。”とある。“五十年に一度の確率で降る大雨に対応する河川改修のみの河川整備計画”を、今でも申請できると思っているようである。非常識さに呆れる他はない。別拙文などで指摘したように、こんな河川整備計画はあり得ない。もし申請しようとしたら、国から門前払いされるであろう。それが分からずに無駄な計画を本気で作成する関係者がいるとしたら、そのような職員はやはり辞めてもらうしかない。
このような個々の職員の無能さもさることながら、開催される度に、内容や答弁が違ってくる県議会・委員会・協議会を開くことは、見逃せない無駄・浪費であるばかりではなく、何よりも県民を愚弄している。こんなことを平然とやったり、やらせている最高責任者である知事を、一刻も早く県民の力で辞めさせなければならない。
4月28日付けの朝日新聞の砥川治水対策に関する記事について(2004.4.28)
4月28日付けの朝日新聞長野版に次の【 】内の記事が載った。【県の方針に国難色 ダムに代わる砥川治水対策 河川改修先行認めず
ダムに代わる砥川(諏訪郡下諏訪町)の治水対策で、工事の認可権限を持つ国土交通省関東地方整備局が、河川改修を先行させる県の治水方針に難色を示していることが27日、わかった。田中康夫知事は河川改修の先行を表明しており、改めて計画の見直しが求められそうだ。
同日、県の小林正登河川課長らが同整備局を訪れ、県の治水方針を説明した。
ダムに代わる県の治水方針は、河川改修や遊水池などの流域の治水施設計画により、これまで通り100年に1度の確率で想定される洪水に対処していくが、当面は50年に1度の確率で想定される洪水に対処できるよう、河川の改修工事を先行させる。河川改修を進めていく中で、流域の治水施設の計画を作り、当初の目標の100年に1度に対処できる計画を作るという。
これに対して国交省関東地方整備局の大西亘調査官は、「河川改修の途中での見直しを前提にした整備計画は認可できない」とし、河川改修と流域の治水施設を合わせた計画の提出を求めた。】上文で、『国から門前払いされるであろう』と書いたが、その通りの展開である。これまで指摘しているように、“河川改修を進めていく中で、流域の治水施設の計画を作り…”などという、『こんな河川整備計画はあり得ない』のである。『非常識さに呆れる他はない』ことを、県の河川課長が行っているのである。このような県政の実態に、県民は怒らなければならない。
なお、つい最近まで、安全度を50年に1度の確率の洪水に対処する水準に下げて、河川改修だけで済ますという、代替案とは違う案(これは知事が約束した枠組みなるものをほごにするもの)を国に打診しようとしていたらしいが、流石にそれは諦めて、今回の動きになったようである。長野県小林河川課長への質問と回答(2004.4.30)
本日を最後に交代して、明日栄転される小林長野県河川課長に、午後3時から約15分間直接会って、質問をした。その要点を以下に報告する。なお、筆者は今回初めて小林課長にお会いした。
1)浅川の代替案と従前の河川改修再開の関係について
Q:
河道配分流量とは?計画高水流量との違いは?
A:
同じものである。(この問題は課長は答えず、担当者を呼んで答えさせる。以下は二人で答える。)
Q:
同じものをどうして言葉を変えたのか?通常言葉が違うと、定義・意味も違うと思われるではないか。
A:
…
Q:
同じものならば、従前の河川改修を再開するという方針変更で確保される計画流量の、X:100 m3/S W:160 m3/S V:230 m3/s U:270 m3/ s T:350 m3/ sと、4月20日の流域協議会で示された河道配分流量の、X:120 m3/ s W:180 m3/ s V:250 m3/ s U:270 m3/ s T:350 m3/ sとで、X〜V区間は20(=120−100,180−160,250−230) m3/ sだけ相違している。この差はどうするつもりなのか。
A:
これから検討する。
Q:
ということは、具体的な対策の見通しもなく、方針変更したことになるではないか。本来方針変更をするのであれば、それに伴う基本的な問題点の対策の裏付けがなければならない。しかも、4月20日の浅川の流域協議会に、そのような問題点があるままに提示したということは、目標が達成されない、欠陥のある計画を臆面もなく提示したということであり、無責任、かつ非常識過ぎるではないか。
A:
流域協議会で、そのような問題があると説明したと思うが。なお途中経過なので(筆者が流域協議会での資料「浅川の流出解析 途中経過の概要図」中にある数値を示して訊いたことから、このタイトルを課長が指差して)、完全なものではない。
Q:
流域協議会で、方針変更に伴う数値的な齟齬について説明した事実はない。また途中経過といえども、基本的な数値に辻褄が合っていなければならない。およそ案とは言えないものを、どうして何の断りもなく提示できるのか。言訳にもならないことを言わないでいただきたい。
A:
流域協議会では説明しなかったかもしれない。…(上記Qの「また」以降については返事なし。)2)答弁の責任について
Q:
昨年11月末に、県議会の連合審査会で、15年度中の国への申請と承認に責任を持つと答弁しながら、僅か2カ月後の今年1月末に、今年度中の国への申請断念を発表し、2月の土木住宅委員会で8月に国へ申請すると答弁し、また80%を河川改修で、20%を流域対策で対応するという枠組みの基本原則に、浅川では拘らないと説明し、さらに3月初めに、浅川は従来計画で河川改修すると方針変更を県議会で表明した。また最近、国への8月申請は厳しいと土木住宅委員会で答弁している。その都度それまでの答弁を簡単に翻している。それもそのことようになると指摘されていながらである。答弁が県議会・県民を馬鹿にしていて、軽過ぎるし、無責任過ぎるではないか。
A:
仕方がなかった。…
Q:
そんなことでは済まされない。
A:
…3)砥川の河川整備計画について
Q:
4月28日の朝日新聞の記事は事実か?
A:
関東整備局から、河川改修を先行させて、後で全体計画を策定するのではなく、先ず全体の整備計画を示せと言われた。
Q:
朝日新聞の記事もそうなっている。そもそも全体の整備計画のない、河川改修先行というのは非常識ではないか。そんなものを国に申請できると思うこと自体が問題である。
A:
少しでも早く地元の要望に応えるために考えた。
Q:
それには、先ず全体の整備計画を示して、その一部である河川改修を先行させるというやり方が常識で、それしか方法はないではないか。
A:
…4)両河川の方針変換の可能性について
Q:
浅川・砥川について、安全度の水準である1/100確率や、基本高水流量の変更をすることは今後あり得ないか。
A:
そんなことは考えていない。予想した通りとはいえ、4)以外は非常識、無責任極まりない返事ないし無回答であった。特に、浅川では従前の河川改修を再開すると方針変更をしていながら、それを数値的に裏付ける対策をまったく検討もしないで、欠陥のある計画を何の断りもなく示しているという出鱈目さは、犯罪的でさえある。
なお、基本的な問題なのに、自分は答えられず、部下の担当者を呼んで答えさせるような人物が、部長級で栄転される。これが田中県政の人事の実態である。