ストリード
「キャラクタ台詞設定法」
 「台本(台詞入れ)に専任の人は要らない」とか言う訳だが、とは言うが漫画や小説などもあり。ともかく現状「台詞入れ」に相当する物はどの様に創ればいい物か?ガイドライン的な物を創ってみる。

2010/06/21
森宮 照


プロデューサーシート
タイトル「キャラクタ台詞設定法」
 概略 脚本の、キャラの台詞入れの技術化

コンセプト「事実は隠すが真実は伝える」

ハード的テーマ「キャラの発言」否定肯定
 台詞は脚本が入れる物で、究極的に言うとその脚本の作者が書いた物ではあるが、一応はそのキャラがその場で喋った物として相応しい台詞である必要。

ソフト的テーマ「これは技術である」否定肯定
 台詞入れは特に、かなり感性に依存し技術とは言い難い部分はあるが。そうで有っても実際には相応の技術により創られている物だ。

目的 問題が無くウケる台詞入れの技術確立
それは無い 目的を達成しない

ディレクターノート
テーマ
表「簡単」否定肯定
 まずはキャラクタの性格設定から
裏「面白い」肯定否定

概略としては、まずキャラクタの性格設定をして、それに対して台詞は相応しいか?を物差しとする。
問題はその「性格設定」をどういう感じで数値化というかするか?だ。
いわゆる「起承転結」を軸に、説明、行動、事件、解決、オチの例で試作。

「スピークシート」と呼ぶ物を創ってみる。そのキャラの台詞などの方向性。
キャラクターネーム そのキャラの名前と簡単なデータ
概略 そのキャラクタの説明。
人物主観 その人物の大ざっぱな考え方。
対人反応 他人に対してどの様な応答をするか。
個室反応 一人で居る時にはどんな様子か?
台詞個性 話言葉の主な特徴。必ず語尾に「ナリ」とか付ける等。
人物総評 そのキャラは好ましいか好ましくないか。

まず、登場人物の「スピークシート」を創る。
その上で、要求される台詞をそのスピークシートに合う様に当てていく。

例二つ
スピークシート
キャラクターネーム「長谷部 永和」十四才
概略 中学二年生の、少し背の小さい暗い雰囲気の少年
人物主観 かなり世の中を悲観的に見ている。世間の人間はみんな敵で偽りの社交だ。
対人反応 「用が無いなら呼ばないで下さい」と、殆ど対人と関係を持とうとしない。
個室反応 インターネットの掲示板に依存し、そこでの論戦には割と積極的。
台詞個性 必ず悲観的な視点からその人の会話は始まる。
人物総評 好ましい人物、とは言えないが、害意が有る訳でもない。

スピークシート
キャラクターネーム「大川 良子」十四才
概略 中学二年生の、活発そうなポニーテールの少女。
人物主観 世の中に最低限の不幸な奴が居る事はしょうがないとは思う。
対人反応 社交性が高く進んで会話に参加するタイプ。
個室反応 主に漫画などを見て過ごすが、ただその時の内容は殆ど覚えていない。
台詞個性 かなり楽観的な憶測で物を喋る感じ。
人物総評 総評としては好ましい少女、とは言えるが。微妙に危うさもある。

試作プロット。
クラス替えがあり、何故か席が隣同士になる二人。その会話。
二人で席が隣同士になり良子が会話しようとするが永和側が殆ど乗ってこず、なんかこの先やばいかしんない、とか思いつつも授業が始まり消しゴムが無い事に気付いて永和にお願いするに貸してくれて。まあ悪い奴じゃないかしんない、とか。

クラス換えがあり、新しいクラスに居る二人。席順が発表され、席に座る。
良子「どーも」
永和「何か?」
良子「・・・。いや、席が隣になった挨拶」
永和「そういう余計な事はしなくて良いよ」
良子「いや。まあ・・・そうだけど。隣な訳で。私、大川良子と言う」
永和「席順の紙見れば解るよ」
良子「・・・なんかさ、暗くない?永和君」
永和「基本的に自分、君の様な人とは仲良く成れそうもないから」
良子「あ・・・う・・・。まあ(なんか、やな席来ちゃったなぁ・・・)」

授業中。永和は相応真剣に?ノートを取っている。良子は適当。
やがて少し書いて、それから消しゴムが無い事に気付く。少し躊躇った後。
良子「・・・ゴメン永和君、余分な消しゴム持ってる?」
永和「何?」
良子「いや、ちょっと消しゴム貸して貰えると」
永和「・・・(少し疑惑の視線)」
良子「あ、いや別にね?駄目なら良いんだけどうん」
永和「(持っている。その消しゴム見てから)・・・はい」
良子「あはは、どうも有り難う。ちょっと貸しててね?」
永和「別に・・・いいけど」
良子「(小声で)うんまあ、悪い奴じゃない、か・・・」
永和「何か?」
良子「授業中。はい(と言ってちょっと苦笑し、消しゴムを返す)」
永和「・・・ちょっと、作為的じゃない?」
良子「へ?何が?」
永和「いや・・・別に良いけど」
良子「ま、仲良くしようね?(苦笑)」

例2
スピークシート
キャラクターネーム「赤石藤堂」三十二才
概略 大金持ちだが、趣味で私立探偵をやっている人物。美形。
人物主観 如何なる事象であろうと、物事には理由がある。偶然は無い。
対人反応 基本的に社交的だがちょっと大げさと言うか、芝居がかった感じ。
個室反応 様々な事に対して思索に耽り、特に考察を要求するような物を好む。
台詞個性 「その僅かな可能性は捨てきれない」事は常に留意した上で話す。
人物総評 ともかく貴族的な感じ。

舘川奇館を見た時の話。
赤石「これはまた何というか、凄い建物ですね」
警官「地元では舘川奇館と呼ばれてます。見た目通り、変でしょう?」
赤石「こんな建物を創って、その中で殺されていた人物か。なかなか興味深い訳だが」
警官「梁施警部がお待ちです。こちらへ」
赤石「お願いする。・・・まあ、幸運と言うべきかな」
警官「何がです?」
赤石「興味深い事件に関われた事がですよ、まあ性分でね。少し楽しい」

或いは、このスピークシートにそぐわない台詞が「台詞としておかしい」と言う奴には成るのかも知れない。まあ大体方向性として、脚本の台詞入れそのスキルとしてこんな感じが適当な設定では無かろうか。


end