ストリード
「デモンズキーと少年」仮


ちょっと、身近な様な違う様な、MMORPGを巡る騒動と言うかに、ふと。
想像すると恐ろしい、その世界はプレイヤーとシステムが創ってきたのだ、誰かの創造物ではなく。
”それ”が失われる可能性、という悪夢。


掲載 2020/06/22
森宮 照


タイトル「デモンズキーと少年」仮
プロデューサーシートに「映画」で。
 概略 SF映画?
ディレクターノート

「モンスタークリエイター募集」と言う、アルバイトを見つける主人公。
大規模なMMORPGで行われている、そこに登場するモンスターをクリエイトするバイト、という。
実際には単に、ボタンを押すと現れるモンスターを”承認”していくだけだが、自分の思惑その他で”そこ”に、若干の性格を書き込む事も出来る。
主人公はそのバイトを続けるウチに、そのMMORPGに興味を持って、逆に、その世界へ入って行った。

しかし、彼には少し気がかりな事が有った。以前にモンスタークリエイターをしてた時、不意に「デモンズキー」と言うかなりレアである、と言うモンスターを生成したのだが、それを見た、と言うプレイヤーには、会った事が無いのだ。如何なる情報掲示板にも載ってないそのモンスターを、主人公は何だか探し始める様に成った。

と言う導入から始まる、その世界の、何かの破綻と打開。

テーマ
表「主人公を助ける」肯定否定
 ともかくそこは楽しい世界だ、守らねばならない。
裏「仮想現実の価値」否定肯定


「ダークレイダー」と呼ばれるその仮想世界は、もう30年は続いている、と言う…歴史あるMMORPGで。その世界はプレイヤーとシステムにより「生成」され変化し続けていて、その全容を知る者は、もはや開発者にも居ない様な状況に成っていた。敵モンスターも、モンスタークリエイターらにより創造、或いは”変化”され続けていて、”それ”は出会わなければ情報は開示されないと言う仕様、なので、それらに会うのもゲームの醍醐味の一つ、だった。プレイヤーらも、何だかうっすらと感じ始めていた、この世界は今、何かの危機を抱いているのでは。
 危惧は一つの具体的な姿を見せ始める、没頭する人々の社会復帰が出来ない、と言うそれが社会問題化していて、一部の国ではアクセスを制限する、様な話さえ出て来ていた。しかし、巨大化したシステムに介入する事にシステム側もためらいが有り、”それ”は結局、自治団的な人々を形成する事で対処、という方向に入る。主人公も否定的な立場、ただその主張にも納得し得る感覚も解る中で、様々な現実と仮想現実との問題が表面化し始める。「何故?」に呼応する様に、出現するモンスターもまた、凶暴化し始めていた。
「この世界は必要なのか否か?」と言う、”それ”を問われ始める中で、やがて、異様なモンスターが発生し、プレイヤーらを悩ませ始める。凶悪な龍、それは通常のレベル上限を超える様な強さを持ち、通常攻撃では殆ど対処出来なかった。主人公らもそれに挑む事になるが、連戦連敗が続く、しかし。主人公は妙な執着と言うかで、傾向と対策とを走査し始め、やがて条件の様なモノを発見、何とか倒す事に成功、すると、”そこ”にあの「デモンズキー」が、現れていた。

 ”それ”は、主人公に語り始める。自分はこのゲームに、モンスターを出現させない様に出来る。開発者が残した「世界を終わらせる」鍵だ。彼は当初から懸念はしていた、この世界はこのまま巨大化した時、果たして問題を起こさない「必要なモノ」に成るのか。もし、この世界がその破綻を見せるなら、自分を使えばこの世界は、終わらせる事が出来る。使うかどうかは君が決めてくれ、そう言う。

この辺から、世界は次第に現実との軋轢を起こし始める。RMTを巡る争いや派閥、それが現実の対立にまで発展し、「ダークレイダー」を止めよう、そんな話も現実味を帯び始めた。「デモンズキー」を手に入れた主人公は(その事実は秘密のままで)、その強さにより一目置かれる様になり、運営側との交渉も出来る様になった結果、今後の対策にも意見者として参加出来る様になり。そこで主人公はこの世界の存続を支持、しかし、何だか次第に、反体制派との全面戦争、の様な様相に陥り始めてしまう。

主人公は体制維持派の旗手として、人々に呼び掛ける。我々は常に困難を、その自身らの努力と追及によって乗り越えてきた、今の危機もまた、それらを持って無しえない筈がない。だが、反体制派は逆に、異様とも言える戦力を「ダークレイダー」に投入、体制派を駆逐しようとする。全面戦争が始まるが明らかに劣勢、しかし主人公の呼びかけに応えて集まった人々の戦闘力と計略その他は敵の大軍を物ともせず、その城は、頑として落ちなかった。やがて反体制派が折れ、存続する事にはなる。この「反体制派が負けた」と言う事実は現実にも衝撃と共に伝わり、何故か、現実側の空気は逆転していく。結局は、現実側の体制その問題を責任転嫁していたに過ぎない様な環境の中で、「ダークレイダー」撲滅に意欲を向けていた責任者はふと、自身が孤立している事に気づいた。彼はやがて解任され、世界は、奇妙な安定を取り戻した。
「デモンズキー」は、主人公を前にして笑う。”自分が出現できる条件”は、そろそろ打開されつつある、或いはまた会おう、もしかしたら明日にでも、とか言いつつ、それは消えていく。主人公はそして、世界を護ったヒーローらの元へと帰っていく。


end