テキスト・ホラーAVG
「格安物件」

make 2007/09/22
森宮 照


 築20年以上と言う割に、その部屋は、あまり痛んだと言う感じはしなかった。不動産屋の話では、3年前から住人は住んで居ないと言うし、それ以前の住人も、数えるほど。最長で2年暮らしただけだと言う。「ともかく安い部屋を」そう頼み込んで、渋々紹介して貰った。「家賃かい?タダで良いよ・・・。でも何が起こっても知らないよ?」人の良さそうな中年の店長が、鍵を渡しつつ言った。自分はあまり気にしなかった。暮らした住人が全員、ここを出ていく時には死んで出ていくとしても、只で東京で、2DKに住めるとしたら幽霊とお付き合いするくらい些細な事だ。「僕」はともかく、来月から始まる憧れの東京生活を前に、その事態をその程度にしか認識していなかった。部屋の中を見回す。今日運び込んだ荷物はまだ散らかっているが、何だかワクワクしつつ腰を降ろした。美人の幽霊ならむしろカモンって感じ?


さて、どうしよう?

1.部屋を見回す。
2.寝床を作る。
3.寝る。

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 「部屋を見回す」

ここは2つ有る部屋の一つ、”左”と呼んでいる部屋。玄関から左に有るからだ。主な生活空間にしようと思っているからここにはあまり荷物は無い。来る途中で買ったコンビニ弁当他が有る位。今後は生活費を切りつめる為にも自炊の必要性は有るかも?ともかく今は殆ど何も無い、寝床さえない。このまま床で眠ると言うのもどうかと思う。
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「寝る」

 部屋に荷物を運び込むとかなにやらで、今日は割と疲れた感じでは有る。ただ畳とはいえ、床に直に寝ると言うのはどうだろう?せめて枕、何にせよ布団一式は隣の部屋に有るのだ。せめて枕か敷き布団くらいは敷いて寝るべきだと思う。
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「寝床を作る」

 ふと携帯電話を取り出し、時間を見る。今は便利だ、時計と電話とその他がこれ一台で間に合う。ともかく既に夜の11時を回った所。とりあえず寝床を作らねば成らない。自分は隣の、今は”右”と呼んでる部屋に行き、運んだ段ボールの一つを開いた。圧縮袋で潰された布団が有る。ただ羽毛とか?そう言う高級な奴じゃないのでちょっと重い。布団を運んで腰を痛めたとか訳の解らない事に成らない様に、ともかく敷き布団を取り出し隣の部屋へ。足下がふらつく。ちょっと干して来れば良かったと少し後悔しつつ運びながら、「僕」は左の部屋に運び込んで、どさっと音を立てつつ落としてから気付く。割と大きな音、しかも築20年のアパート。だが良かった、ここは1Fだった。

 すると、不意に。胸元の携帯電話がなり始めた。
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深夜11時。携帯電話が鳴っている・・・。

1.携帯電話を見る。
2.携帯電話に出る。
3.携帯電話を切る。





「携帯電話を見る」

 こんな深夜に?!とか、「僕」はちょっと驚きつつ、胸元の携帯電話を取り出して見た。番号を見る、「非通知」。少なくとも知人その他ではない。ちょっと薄気味悪くなった。こんな時間にかけてくる人・・・誰だろう?
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「携帯電話に出る」

 「・・・はい、もしもし?」深夜11時の、見知らぬ電話。薄気味悪さは感じたがともかく僕は電話に出た。遠いのか、どうもノイズが混じる。何回か呼び掛けてやっと聞き取れる声が聞こえてきた。背筋が、少し寒くなった。

『おい、今の音は何だ?』

 ぞくっとする低い声が、風きり音の様なノイズと混じり聞こえてきたからだ。
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「携帯電話を切る」

 僕は携帯電話を取り出すと、おもむろにその通話を切った。理由は解らない、ともかく何か嫌な予感がしたからだ。その後、携帯電話を開いて通話記録を見る。「非通知」・・・。知人の非礼な電話、と言う事も無いらしい。ともかくこっちからかけ直す事は出来ない。なんだか言い様の無い恐怖だけが、部屋の中に立ちこめて、僕は暫し沈黙した。

それから、ただ時間だけが過ぎて、静寂に脅えていると、再び携帯電話が鳴り始めた。
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 突然の、携帯電話での電話。なんと答えよう?

1.「貴方誰ですか?」
2.「布団を落とした」
3.通話を切る。






「貴方誰ですか?」

 自分は高鳴る心音を押さえようとしつつ、ともかく返事を返した。「・・・あの、貴方誰ですか?」『・・・今度の住人か? ”うるさい”んだよ・・・。これ以上騒音を立てるな、そこにいろ、すぐ行く』相手の通話は、それで切れてしまった。ここに居ろ?すぐに行く・・・ここに来るのか?今の声の主が??
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「布団を落とした」

 「い、いやあの!布団をちょっと落としてしまって・・・あの?」条件反射の様に、自分はさっきの事態をしどろもどろに弁解気味に話し始めた。相手の返事は素っ気なかった「お前、そこに寝るつもりか?解った、そこに居ろ、すぐに行く」通話は、それで切れた。相手の失礼がどうのと言うよりも、何だか非常に不味い事をしたような気がした。
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「通話を切る」

 自分はその声で、咄嗟に通話を切ってしまった。高鳴る心音を押さえようと努力しつつ、でも、ちょっと嫌な予感がした。相手は自分の携帯番号を知っている。そして今、「布団を落とした音に抗議して」電話を掛けてきたのだ。どこかに居る?不意に部屋のいわくを思い出した。この部屋の住人は、出ていく時には必ず死んでいるか行方不明なのだ。
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割と、やばい感じがした。現在夜の11時半。このまま寝るべきか、否か。

1.寝る
2.部屋の外に出る。
3.考える。







「寝る」

 「さ、流石東京。あの程度で苦情が来るとは恐れ入ったよ」空元気で呟きつつ、ともかく無理矢理苦笑しながら布団を敷き始めて、それから数分で寝床は出来た。携帯電話の電源は切ってしまった。割と怖いので、電気はつけっぱなしで毛布を被り横になる。それから3時間くらいは眠れなかった。その後睡魔に襲われて、僕は眠りについたらしい。

・・・僕は、どうもそのまま”起きなかった”、らしい。死体はその後どうなったのか、良く解らないが、ともかく近くを流れる川の河川敷で、散歩中の通行人によって発見された、と言う。僕はその後数年して、新しい住人があの部屋に来た事を知った。携帯電話を取り出す。警告をせねばならない、そこは危険だと・・・。
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「部屋の外に出る」

 僕は、多分怖くなったからだ。深夜12時を回り始めた頃、僕は部屋から出て、それでも寝静まった感じの明るい街路へ向けて走り出した。とりあえず、警察に駆け込もうと思った。ただ場所を知らなかった。とにかく闇雲に走り回り。夜の薄闇の中をそのまま明け方近くまで、交番を探して彷徨った末に。

 確かあの時は、”何か”が空から振ってきて、そのまま自分は道路に放り出されて、そこに大型のトラックが来て、後は。今、同じ様な事が起ころうとしていた、だから僕は携帯電話を取り出して、部屋へ、電話を掛けた。
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「考える」

 静まり返った部屋の中。携帯電話の通話記録は非通知。ここは1F。うるさいと言っても、”布団を落としただけ”だ。自分は部屋の中でちょっと考え込んだ。例え余所の部屋の住人が物音を聞いたにしても、僕の携帯の番号を何故知っているんだ?ちょっと、というか薄ら寒い嫌な予感がした。どうも美少女の幽霊とか甘い事態では無さそうな気がしてきた。何だか物音を立てない様にしている自分がいて、部屋の中が一層嫌な感じに静かになった。

するとまた、携帯に電話が掛かってきた。
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深夜12時頃、携帯に電話が掛かってきた。どうする?

1.出る
2.無視
3.部屋の外へ逃げ出す。






「出る」

 恐る恐る、着信音のする携帯を開き、相手の番号を見る。良かった、今度は一応番号が有る、とか。少しズレた感想を抱きつつ、自分は何とか、その電話に出た。

「・・・もしもし?」
『新しい住人の人?あいつにきづ』

声音は、比較的若い女性の声だった。でも通話は、多分途中で、それで切れた。
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「無視」

 僕は、その電話に出る気に成れなかった。開こうとさえ思わず、ただ脅えた表情で鳴り続ける携帯電話を眺めていた。やがて4回程のコール音で、それは切れる。安堵して良い物かどうか解らない。恐る恐る、携帯を開き通話記録を見る。今度は携帯電話の番号が記されていた。・・・さっきの奴とは違う人?それだけが少し救いの様な気もしたが・・・、何だか自分は、随分追い詰められた気が、した。
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「部屋の外へ逃げ出す」

 僕は、そのまま悲鳴を上げて。そのまま部屋の外へ一目散に逃げ出した。

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前の奴とは違う者から電話が掛かってきた。どうする?

1.かけ直す
2.考える
3.寝る






「かけ直す」

 携帯電話を取り出すと、通話記録が有る方を選んで、電話を掛ける。しばらくのコール音の後、聞こえてきた声は女性の声だった。慌ててしどろもどろに用件は何か?とか聞こうとしたが、暫くして気付いた。
「この電話番号は、現在使われておりません。番号をお確かめの上・・・」
少し呆然としつつ、自分は通話を切った。・・・どこから?誰が?
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「考える」

 通話の切れた携帯電話を眺めつつ、ちょっと呆然とする。そろそろ、夜の12時を回った所。ともかく訳の解らない状況に陥った気がした。”あいつ”とか、”殺すぞ”とか?控えめに言ってあまり良い感じじゃないし、電話の相手も正体不明。静まり返った部屋の中、ともかく物音を立てない様にしつつ、キッチンに移動し水を飲む。その後、玄関の方へ移動し、ドアスコープから外を眺める。誰もいない静まり返った通路。一旦部屋に帰ろうとして、不意に床がぎしぎしと音を立てる。脅えた所に、また電話が掛かってきた。
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「寝る」

 「・・・わけわかんねーよ」

 いい加減憮然として、自分は布団を敷いて、やがて横になった。眠気はしない。ぼんやりと深夜、部屋の天井を眺める。何かが起こっている、それは確かかもしれない。ともかく・・・そう、別に、「この部屋で」死んだ住人は居ないのだ、・・・確か。部屋に居れば、ともかく、いや・・・自分は何を考えているんだろう、そう考えていると。

 また、携帯電話が鳴り始めた。
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また電話が掛かってきた。どうする?

1.電話に出る
2.電話を切る
3.部屋から逃げ出す。








「電話に出る」

恐る恐る電話に出ると、その声は、おもむろに話し始めた。

「部屋の外に出るなよ?ともか」

 通話は、自分が「もしもし」と言う間も無く切れた。2秒くらいの通話。今度は、老人の男性と言う感じの声、切迫感が有った。ただ、意味は解らなかった。深夜に外を彷徨くつもりも無いが、このまま部屋の中に居て良い物かどうか、少し悩んだ。通話記録を見る・・・固定電話のそれの様。かけ直して見た、コール音はするが誰も出なかった。

 ともかく、良くない事態が始まった様な気がした。部屋の中でうずくまり、片付ける気力も無くして、ひたすら考え込んだ。今、自分の身に。

 危険が迫っている、様だ。
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「電話を切る」

 おもむろに携帯電話を取り出すと、それですぐに電話を切った。いたずらにしては度が過ぎる。一体何を考えて居るんだ!と共に、通話記録を確認する。・・・携帯じゃない、固定電話、らしい。かけ直すべきか迷ったが、ともかく自分はそのまま、携帯電話の電源を切った。

馬鹿らしい!と思いつつ、自分は横になった。ともかく朝に成れば・・・。ただ眠気は起きなかった。部屋の外は静かそうだったが、自分の気分は晴れなかった。

その後、約4時間後に起こる事を説明する事は出来ない。自分はその後、何故か部屋の外に出て、気付くと歩道橋の上に居て、そしてその後、ダンプカーに跳ねられて死んだ。今また、あの部屋で、同じ事が起ころうとしている、伝えないと・・・、部屋から出たら死ぬと・・・。

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「部屋から逃げ出す」

 自分はそのまま、鳴り続ける携帯電話をそこに残して、部屋の外へと逃げ出した。
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この先は開発中です。

この先、様々な「前の住人」から危険と脅しの電話がかかり続け、やがて電話がかかってこなくなり、脅威は迫ってきて、何とかする必要性に迫られ、最後は主人公がその部屋の秘密を解き明かす、と言う展開に成るんですが。

今の状況だとまたタダ働きになるのでこの辺で。美鶴さん買ってー(泣)。

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