■ガンダムの系譜

  連邦のMS「ガンダム」は、RX−78として作られた最初の一機から、後々様々な機種が作られているが、ここでは確認された多くのガンダムについて、アムロが最後に乗ったニューガンダムまでを遡ってみたい。

 ・・・いいんです、勝手な話で(笑)。一応主旨的には「繋げてしまえっ!」と言うノリだけなので、マニアがWEBで書くような精密な物ではなくあくまで「自己消化」的な代物だと思って読んでいただけるとまあ遊べるかな、という代物です(笑)。ちなみに勝手に自分の「脳波制御システム」「推論制御システム」「ミノフスキーリアクター」等を使用して理由付けしてますので、解らない方は先の書き物を参照して下さい(^^;)



RX−78「ガンダム」 「機動戦士ガンダム」
 言わずと知れた、始めて「ガンダム」と呼ばれたMSの名機。そのネーミングは装甲に使用した「ガンダリウム合金」という、軽量かつ剛性の極めて高い宇宙金属から名付けられていて、建造当時にジオン軍の主力であった「ザク」と言うMSが持つマシンガン程度では貫通できない程の高い防御力を誇っていた。また従来よりもかなり高い発電容量の核融合炉を内蔵し、その膨大な発電容量を駆使したビームサーベルや戦艦クラスの威力を誇るビームライフルを標準装備として保有、更に使用した合金故にMSとしては極めて軽量に作られていて、その機動力/戦闘力は、その後に後継機が作られた時でさえも今だ特級の物だったようだ(もちろんコスト的にも最高級で、後の量産機「GM」との性能差は言うまでもない)。開発主任であった「テム・レイ」氏の開発プランにはより高性能なMSへのプランさえ存在していたらしく、これさえもまだ実験機の域だったらしいが、彼はジオン軍によるガンダム強奪作戦の際に宇宙に投げ出されて漂流、酸素欠乏症に陥って精神的に不安定になったまま事故で死亡してしまったので、どんな物だったかは知る由もない。ガンダムのパイロットは彼の息子であるアムロ・レイと言う当時16才の少年だったが、彼の卓越した操縦技術とガンダムの性能の高さによって、当時の連邦を勝利に導いた立役者と成った。RX−78としてのガンダムは計3機作られ、ガンダム本編中にて使用されたガンダムは2号機であり、大破した後に3号機が稼働したらしいが、これもまた、最終的には撃墜されている。


RX−78NT−1「アレックス」 「0080ポケットの中の戦争」
 大戦後期、RX−78が稼働中だった際に、開発元である「サナリィ」がより強力なMSを作る目的で作成した新型のガンダム。「チョーバムアーマー」と言う特殊な装甲を装備し、そしてどうやら占領したジオン軍の施設から奪取されたらしいサイコミュシステム(と言うか、この当時連邦が保持していたのはあくまで単なる脳波制御システムだったようだ)を搭載して、本当なら3号機の変わりにアムロに手渡される筈だったらしい機体。試験駆動中にジオン軍の特務部隊「サイクロプス」に強襲され大破。チョーバムアーマーは一回で使用不能、しかもガンダム本体もパイロットが十分な訓練をしていない女性だったとしてもたかがザクとの交戦で大破してしまったと言うどうも弱い?機体で、この機体の開発計画はその戦績故に残念ながら打ち切られたようだ。この時からガンダムの「角」が黄色く成っているが、どうもこれが「サイコミュシステム」を搭載した連邦MSの証拠になるらしい。ホワイトベースの「耳」にあたる部分、広域レーダーにも使用されているミノフスキー粒子を関知できる特殊な塗料をアンテナ表面に塗ることによって周囲のミノフスキー濃度を探査し、それのコンディションによって脳波制御のレベルを適正値に補正する、様な機能が搭載されていたと思われる。


RX−79G「陸戦型ガンダム」 「ガンダム08小隊」
 時期的にも一年戦争後期に成るが、「ガンダム量産型」として設計された、しかし内容的には恐らく「強化型GM」的なMS。陸戦に特化されたタイプで、どちらかと言えば試験機的な色合いが強く、どうも秘密裏な「ニュータイプ適性テスト機」だった節もある(何故なら角が黄色いから(笑))。パイロット達には知らされていないが恐らくは内部に「脳波制御システム」らしき物を搭載し、多分アムロの様なニュータイプが乗った場合他のMSなど蹴散らす強さを発揮したのだろう、その後にその人物には別の部署への栄転も待っていただろうが残念ながら配備部隊にはニュータイプは居なかったようだ。同型の現地改修機「Ez−8」からは「角」が排除されているが、恐らくは使い易いように余計な機能を省いて「普通の」MSに現地で改良した、と言う事だろう。


RX−78GP01/Fb「ゼフィランサス」
RX−78GP02「サイサリス」
RX−78GP03「ステイメン」 「0083 スターダストメモリー」
 一年戦争が終わり、ジオンの残党狩り等の必要性からより強力なMSが求められた際に、新しいMSの開発企業として名乗りを上げた「アナハイムエレクトロニクス」という複合企業体が推奨した「ガンダム開発計画」から産まれた3機で、デラーズフリートとの交戦に使用された「抹消された名機達」である。恐らくは当時MSの市場を独占していた「サナリィ」の牙城に食い込む為の意欲作で、既存の技術の集大成として作られてはいるが、当時考えられる最高の技術を投入した、アナハイムのフラグシップモデルとも言えるMSだったのだろう。しかし結果としてGP02は敵に回って最悪の戦果を上げてしまうわ、GP01は大破してしまうわ、アームドベース・オーキスを装備したGP03「デンドロビュウム」はコロニー落としを止められないし、そもそも命令違反の出撃で有る上についでに最後は味方艦艇に対して発砲してしまうわと、この後、どうも連邦軍内部では散々な評価を食らってしまい(他にも色々有るが)、結果として登録は抹消されてしまった悲しい機体達である。この当時サイコミュ関係のテクノロジーはまだ連邦サナリィ内部の極秘機密だったらしく、アナハイム製であるこの3機にはまだ搭載されていないようだ。

 ※ちなみにこの後、アナハイムが連邦の方に卸すMSはどうもジオン系の外観を持つMSが多く、劇中のイメージそのまま悪役と言う感じに何故か成っているが、この辺はGPシリーズが高い戦績を上げたにも関わらす厄介者扱いした連邦(ティターンズ)への、アナハイム流の一種の”当てつけ”だったのかも知れない。かつては正義の味方だった筈の連邦にジオン軍によく似たMSを使わせる、それは恐らくは、アナハイムのささやかな抵抗だったのだろうが、なのに使わざるを得なかった連邦も、その位切羽詰まっていた、と言う事だろうか。マーク2が開発されるまで、どうもサナリィ製のMSはアナハイム製のMSと比べ、性能的に大きく水を開けられていたようだ。

RX−178「ガンダムMk2」 「機動戦士Zガンダム」
 当時MSの主流をアナハイムに奪われていたサナリィが、覇権を取り返す為に作り上げた「実はニュータイプ用の」ハイスペックMS。この前身に成る「GMクェイル」と言う機体に外観がよく似ているが、設計的に言うとボディはGMクェイル、頭部はアレックスを使用した、サナリィ製の寄せ集め的な最新鋭機だったと言える。当時どうも、アナハイム製のMSが搭載しているMSの「推論制御システム」はサナリィ製の物とは段違いに扱いやすかったらしく、パイロットの技術だけではその差を埋めるのが困難になっていたらしい。しかし当然の事ながらその辺はアナハイムの企業秘密であり、易々と真似が出来なかったサナリィ製のGMクェイルは結局大した戦果を上げられず(もちろん公式記録的には多大なる戦果を上げた、事には成っていたが)、市場的に危機的状況に立たされたサナリィは虎の子的な「脳波制御システム」に再び着目し、「ガンダム」の後継機と言う名目で完成させたのがこのガンダムMk2だったようだ。陸戦型ガンダムと同じように適性の有るパイロットを探す目的も有ったようだが、ニュータイプが使わない限り性能的にはGMクェイルと大差ない代物で、その運用性の悪さは劇中でジェリドが悪態を付くほど。ニュータイプだったカミーユが乗る事になったのは機体的には幸運な、サナリィ的には悪夢としか言い様のない事態だっただろう。或いはこれもガンダムと言う名の持つ定めのような物か。
 この後エゥーゴに奪取されたMk2の内1機はアナハイムに持ち込まれる事になり、この結果としてアナハイムはムーバルフレーム技術と共に脳波制御システムも手に入れる事になった。しかしZガンダム完成後、恐らくはパイロットが変わる事によってMk2の性能不良が露見してしまい、それを補う目的で、その使い所の薄い過剰なスペックを利用した「Gディフェンサー」という追加装備を付ける事で対応する事にした、と言うところだろうか(スーパーガンダムとは、皮肉なネーミングだ)。この後にサナリィの方は「バーサム」と言うMSを作っているが、これは形こそ違えど中身は「ガンダムMk2」だったようだ。一応脳波制御システムは搭載しているようだが、果たして使えた奴が居たかどうか? それは謎だ。


MSZ−006「Zガンダム」 「機動戦士Zガンダム」
 アナハイムが恐らくは技術の粋を結集して作り上げた、画期的な可変型MS。ベースプランはMk2のパイロットだったカミーユの、恐らくは「MSに大気圏突入能力が有ったら便利ですよねぇ」的な一言から始まった、ガンダムを作りたくても作れなかったアナハイムにしてみたら久々の「ガンダム」。恐らくはきっかけが欲しかっただけだろうが、それはともかく当時アナハイムが持つ技術の粋を結集して作られた超高性能な機体で、進化したムーバルフレームの他、内部には脳波制御システムも搭載、更に故テム・レイ博士の「ミノフスキーリアクター」さえも極秘に搭載されていた、第2期フラグシップモデルとでも言うMSである。どうも4本有る角のうち、2本はミノフスキーレーダー、2本はミノフスキーリアクター用の「共振増幅装置」とでも言う代物だったと推測される(以後、アナハイム製のガンダムは皆4本角なのは、その辺をそのまま使っているからだろう)。カミーユによって誠に高い戦績を納める事になり、結果として連邦軍の体勢が変わった後にはZ−plusと言う廉価版も多く量産され、人気機種になった。その開発の影に可哀想な少年が1人居たことは、当時のパイロット達は恐らく知る由もない(合掌)。

 ※グリプス戦役での稼働中、ミノフスキーリアクターの暴走?故か機体表面にバリアーの様な物が形成された事が確認されているが、どうもミノフスキーリアクターが思念感応を起こした際、その共振が周囲を漂うミノフスキー粒子と機体装甲表面で共振感応し、Iフィールドに近い効果を偶然発生した、と思われる。或いはこの現象を解析した結果が、ニューガンダムが持つ「ファンネルバリア」として結実するのかも知れない。同様の効果はZZガンダムでも確認されているので、技術としてはニューガンダムの頃には確立していた可能性が高い(後述)。

MSA−0011「Sガンダム」 「ガンダムセンチネル」
 連邦の体勢が変わり、晴れて連邦から「ガンダム」と言う名のMSの受注を受ける事になったアナハイムが、Z並みの性能を「普通の兵士でも、むしろ兵士が居なくても効率的に使える物にするために」設計したシステム「アリス」を、始めて搭載したのがどうやらS(スペリオール)ガンダムと呼ばれる機体(脳波制御システムの代替え案、と言うところだろう)。ミノフスキーリアクター、脳波制御システムは共に搭載されてはいるようだが(良いパイロットに当たったらラッキー的なノリだろうか)、この機体の目玉はそれよりも完全に自立した「アリス」と呼ばれる機体制御AIに有る。当時、過去のGアーマーを使用したMSの運用戦績から、連邦は恐らく「上半身、下半身のどちらが壊れても兵器として使用可能である効率的?な」機体の製造依頼をアナハイムにしていて、その結果としてZをそのまま発展させ、そこに推論制御システムを発展させた物を搭載した実験機が作られていた、それがこの機体だったようだ。この後戦闘の結果として基礎研究データごと喪失してしまうらしいが、多分それより、アリスの暴走を恐れた(何せ下手なパイロットよりも操舵が上手いのだから、暴走したら手が着けられない)開発者、或いは軍の上官らによって研究成果ごと抹消された、そう考えた方が良さそうだ。
 ※追加として、Sガンダムと同時期にFAZZ(ファッズ)と呼ばれる機体も存在しており、これはどうも「Sガンダムの」開発実験機だったと思われる(Zにおける”百式”と言う感じだろう)。一応この機体も3機への分離/変形/合体機構を装備しているが、強度の関係上まだ問題が有ったようで、実戦配備の際にはその辺はオミットされている。これが後に脳波制御、ミノフスキーリアクターを共に搭載して「ZZガンダム」として完成する、らしい。

MSZ−010「ZZガンダム」  「機動戦士ZZガンダム」
 Zで得られた研究データを元に、Zの時に問題だった「機体の一部が壊れるともう変形できない」的な問題を解決するために研究開発された機体の一機が、この「ZZガンダム」と呼ばれる超重量MS。恐らくはGアーマー的な、例え機体の何処かを破壊されても機体の一部さえ残っていれば兵器として使用可能なMSを目指し、なんと3機に分離/変形/合体してしまうと言うとてつもない機体。完成はSガンダムよりも後に成るようだが、最初はどうもSガンダムを作る上での「実験機」だったようだ。あまりにも懲りすぎたギミック故に機体は必然的に大型になり、その発展機であるSガンダムではその辺もう少し小型化したようだが、その洒落にならない製造コストと必要人員の多さから量産には成らなかったようだ(この当時、どうも連邦では「ガンダム」とは試験/実験機に対して必ず付ける名前、として定着しているらしい。顔までRX−78に似せるのは、恐らくは「これは試験機である」と言う事の視認性の良さ故だろう(人間にとってはマークなどより、よほど解りやすい印だ))。Sガンダムの完成後、この機体データは抹消されるはずだったが、Sガンダム喪失後、新しい「ニュータイプ用の」MSが緊急に必要に成った際にZを越えるMSとして残っていたFAZZの存在が再浮上し、急ぎ脳波制御システムとミノフスキーリアクターを搭載して、ZZガンダムとしてロールアウトされた、と思われる(物語後半で1人用に改修されフルアーマー化もするが、ニュータイプ用の機能以外を元に戻した、という所だろうか)。


RX−93「ν(ニュー)ガンダム」  「逆襲のシャア」
 シャア率いる「ネオジオン」との抗争の際に使用された、パイロットで有るアムロ・レイが自ら設計したとされるガンダム。Zから続く脳波制御システムを更に発展させ、そこにミノフスキーリアクターを搭載、どこかから手に入れた「サイコ・フレーム」も搭載しファンネル制御も可能にした、連邦初のファンネル搭載型MSである。製造はもちろんアナハイム製ではあるが、ZZまで続いた可変、或いは合体ギミックは無くなって、その分基本スペックに惜しみない技術を投入した、恐らくは正にRXー78の正当後継機、と言える機体だったのだろう。特筆すべきはフィンファンネル達による「ファンネルバリア」とでも言う防御機能で、どうもミノフスキー粒子によるビームサーベル形成技術を応用してミノフスキー粒子による「膜」をファンネル同士で形成し、そこに共振効果を利用してサイコウェーブを通念させる事でミノフスキー粒子を変質/活性化させ、それによってIフィールドに近い効果をもたらす代物だったと推測される(Zで確認されたミノフスキーリアクターによる「バリアー効果」のフィードバックだと思われる。恐らくはサイコフレームを使用する事で始めて実現し得た機能で、それであってもアムロ並みのニュータイプでなければとても使用できない機能だったとは思うが)。それらの革新的なテクノロジーを搭載したこのガンダムに乗って、アムロはシャアの駆るサザビーと死闘を繰り広げた末に、ネオジオンのアクシズ投下作戦を阻止する事には成功した。だが記録上アクシズは地球に落ちなかった、何かの爆発がアクシズ表面に起こって落下軌道がそれたらしい、だがその功労者としてニューガンダムの「ミノフスキーリアクター」がアクシズをも動かす推進力を生み出したらしい事は、恐らく視認した人であっても信じられないことだろうと思われるので、記録には残っていないと思う。この際のミノフスキーリアクターが生み出した高出力は恐らく予想値を遥かに越えてしまったのだろう、結果として機体が耐えられず、アムロはこの機体と共に戦死して居る。これ以後アナハイムではミノフスキーリアクターを搭載したガンダムはどうも製造されていないが、実用性への疑問もさることながら、人種差別的な問題まで引き起こすニュータイプの技術に、流石に抵抗感を感じ始めたからかもしれない。
 ※同時期に開発されているRe/Gz(リガズィ)と呼ばれるMSには脳波制御的な機能は搭載されていないようだが、恐らくは子供でも操作しえたのは、推論制御システムにかつての「アリス」的な機能を搭載していたからだろうと思われ、その結果としてこの当時のパイロットは味方機を誤射してしまったらしい(当てるつもりは無かったが、機体の推論制御システムがきっちり当ててしまった、と言う所)。その意味でも行き過ぎた操舵機能はどうも不幸な結果しか招かないようだ。あまり流行らないのはそのせいだろうか。

※この後、舞台は30年後となり、ガンダムの歴史は一応ここで一区切り付くことになる。後のMSはそれまでとはまるで違うモノに成っているので、以後はまた後で考えたい。