■ニュータイプとミノフスキー粒子の関係に付いての考察

 ミノフスキー粒子というのは発見当時から電波を攪乱する物質だとされており、主に電波攪乱のために広域に散布されたモノだが、本当は人の思念(と言うか、生命体の霊体?)と感応しやすいという特性を持っていて(或いは、生命の霊魂と呼ばれるモノはこれによって作られている、とさえ唱える人も後には居るらしい)、またその反応の仕方も実は一定していないという奇妙な物質。電波を吸収したり逆に発散したりエネルギーに変わったりするのは、「生命体との思念感応」が起こった際、触媒として一緒に有る物質や環境などによってその効果が様々に変化するから。サイコミュの研究中に作られた「人為的な思念波」によってもミノフスキー粒子は反応を起こしたりするので、それを利用してのミノフスキーフライト、という疑似反重力システムも作られていて、ホワイトベース級などはこれによって浮遊しているようだ。

 また、ニュータイプと呼ばれる人々はまるで超能力者の様に思われがちだが、本当は産まれた時からこのミノフスキー粒子と共に居ることによってそれとシンクロし易くなったある意味で特殊な人間のこと(故に、ミノフスキー粒子を散布しなくなった後では、ニュータイプは産まれにくくなっていた)。ミノフスキー粒子同士には「共振」と呼ばれる現象があって、漂うミノフスキー粒子が思念感応を起こすとその思念波が近くのミノフスキー粒子に拡散伝達していく性質がある(まあ、水中を音が伝わるような感じ)。鋭敏なニュータイプはそれによって遠くの存在を知覚してしまうことが有るので、まるで予知能力者の様な現象が時に起こったりする(アムロとララァの感応もこれに近い。だから、本当は未来を予測しているわけでもテレパシーという訳でもない)。もちろん機械的に観測しようと思えば出来ないことは無いらしいが、人の雑踏の中から特定の人間の声だけを拾うことが困難なように、実用性に疑問があってテクノロジーとしては確立しなかったらしい(F91に試験的に搭載されていたある種のサイコミュ?がこれだったらしいが、あくまでミノフスキー粒子の共振を増幅するだけなので、ニュータイプかそれに類する人にしか実際は使えず、テクノロジーとしては残っていない)。

 「強化人間」とされた人々は、後々ニュータイプとミノフスキー粒子との関係に着目した軍部が、この「ミノフスキー粒子とのシンクロ」を人為的に強引に高めてしまおう、という無茶な研究によって「作った」擬似的なニュータイプ。通常人の脳細胞の一部に電極などで負荷をかけつつ、強引にミノフスキー粒子の「共振」を増幅させて直接浴びせ耐性と適性を作ってしまえという人権無視の方法が取られており、結果として一応はミノフスキー粒子とのシンクロ率が通常の人よりは高く成ったが、それ故にミノフスキー粒子の共振を不安定に感知してしまう事にもなり、そこにいない人の声が聞こえたり遠くの景色が見えたりと(端から見ていると)精神的に極めて不安定な人間(当たり前だ)が出来てしまい、これもまた失敗として後には続いていない。後々ニュータイプをクローン生産する、等という研究さえも行われたらしいが、詳細は不明。

 また連邦のMS開発の雄、アムロの父テム・レイもまた、存命当時からガンダムの開発と平行してこの「ミノフスキー粒子の特性とそれに伴う二次利用」を研究しており、彼はある意味MSの最大の問題点でもあった「巨大かつ危険すぎる核融合式リアクター」の小型化or代換え案として”ミノフスキーリアクター”とでも言う代物を作ろうとしていた。これは「特定条件下」でミノフスキー粒子が発生するエネルギーを通常のリアクターに回し、更に共振と触媒効果でより強力なエネルギーを誘発する、と言う構成(車で言うならツインターボ、或いはニトロ?(笑))だが、一応は形に成ったには成ったのだが、通常人の脳波では必要な反応が起こらなかった為に「理論値としては通常の4倍」の筈が出力は安定しないばかりかむしろ出力が下がってしまう事さえ有った(まあ、セッティングの不味いターボがノッキングを起こすような感じ)。故に合理主義者だった当時のテム・レイはそれを失敗作として封印?してしまったが、その後の事故で酸素欠乏症に陥り、精神的に少しおかしくなった彼は過去の「これ」に再び注目して個人的に研究?を再開、未完成な代物(しかも模型)をアムロに預ける等した後に、事故で死去してしまう。後に彼の消息を知った昔の研究仲間が彼の死を知り、その部屋を訪れた際にこのミノフスキーリアクター理論も発見、それがアナハイム社に持ち込まれた事で、後々極秘にアナハイム社では「ガンダムタイプ」にこのミノフスキーリアクターを試験的に搭載するようになる(これがアナハイム製”ガンダム”の特徴、とも言える)。アナハイム製のZ、ZZ、υガンダムが、パイロットがニュータイプだった場合に限り思いも寄らない原因不明の?高出力を生み出すのはこの機能のせいだが、しかし最後にυガンダムに搭載された後、搭載されたらしい「アナハイム製ガンダム」は確認されていない(いずれも不幸な結果をもたらしたからだろうか?)。