森宮照の、気ままに
ショートサーキット
2011/02/06
「かむろぎ国の野望」
現在の、自分が把握している現状から、それを世間が肯定するだろう体勢?へと改良すると、こうなる。
西暦2010年付近の日本。インターネットはそのままだが、現在はメインで使う人は以前の半分くらいに成っている。インターネットは「上位ネット」と呼ばれ、国際的な取引などに使われる事が多く、通常は利用料金が掛かる。通常人々は「下位ネット」インターゲートと呼ばれる無線を中心にした”それ”を利用しており、それは無料で。ただそこは日本で言うと県単位での小さな世界を創っていて、インターネットとは直接に接点は無い。インターゲートの外に出るには「コア」と呼ぶ中央構造から外に出る、事に成るが。帯域が混雑する為に、メインで利用したい人は従来通りの専用線を引くのが普通だ。県単位でのインターゲートが、インターネットを介して世界中に分散し連結していて、一般利用のIPアドレスは格段に少なくなり、故にインターネットのIPアドレス不足も今は、昔話だ。宇宙コロニーへの移住計画が持ち上がっており、インターネットとの接続はどうするべきか?検討が進んでいる。宇宙は宇宙で別のインターネットを創るべきではないか?双方はゲートにより結線させて、と言う意見が多数派だが、ともかく百万人単位のスペースコロニーが出来るのはまだ先の話とは言われている。
インターネットにも、「ねっちゅー」と呼ぶTV放送ソフトが有るが、日本の場合それとは別に「帝」と呼ぶTV放送システムが、インターゲートの施設社により張られていて、どういう訳か解像度の高い地デジよりも画質が良い!と言う事で、今のメインはそっちの方だ。構造はワンセグのそれに近いのだが、放送時のデータ圧縮法が異なり、インターゲートの中継機から放送されている為にネットとの繋がりが良く、双方向性は地デジより遥かに高い。また「アルプス」と言う基底ハードが安価で存在し、大概の人々はそれにより情報を得て、インターゲートを利用し、インターネットを使っている。インターゲートの運営費は主にアルプスでのウォーレットシステムでの手数料と、TV放送でのスポンサー料をメインに捻出しているが、一般利用者によるアプリケーションを集めたデータプールも収入の大きな柱ではある。アルプスが使われる理由は様々有る。インターネットへのHP支援、農業支援、技術者支援等々、ともかく地域的な経済貢献を非常に重視している為に、使わない訳に行かない、と言う事の様だ。
以前はインターネットでのショッピング、が流行ったが、今は経済活動を阻害する、と言う事で影を潜めている。アルプス上にある店は通販よりも、出前や予約などが中心だ。代わりに小売店向けの問屋業が盛んで、特に最大手として「かむろぎ問屋」と言う全国ネットの問屋が存在する。株式会社として登録が有れば平等に一律に納品する事の出来る第一次問屋で、インターネットを利用して日本中の問屋をネットワークで結んだ物、「全国小売店コンビニ化計画!」等とも揶揄されるが。全国の送料を規定日のみ一律にする、有料だが店頭に必ず並べてくれる「常設設定」が有り、その場合本屋の様に返品が可能である、等のシステムを搭載して市場の拡大を産み、ともかく一時的に激しく落ち込んだ経済的を活発にする、最大の要因には成った。小売店はかむろぎのHPから、全国規模で商品を捜して取り寄せる事が可能で。それにより専門店が増える事にはなり、街の商店街はバラエティ豊かな店構えには成った。携帯電話も付近のインターゲートのアクセスポイントを利用する物が増え、以前に比べてずっと安価に利用できるようには成っている。
インターネットやインターゲート上では「彩華」と呼ぶ統一的な電子通貨が使われている。インターネットで使う為には専用のリーダーが必要だが、プリペイドカードの形で、一時的にお金をチャージする仕組み。チャージする機械があるのは小売店に限られているので集客効果もあり、一万円を投入すると200円増える、と言うのが売りで。それにより集まったお金を用いて「彩華銀行」と言う物も存在し、中小企業への支援に積極的だが、非常にシステマティックで、担保が無いと一円でも貸してくれない。だが、そこでは「彩株」と呼ぶ架空の株券が存在する。不満回避の為に企画された物だったが、銀行の担当者が任意で貸すのでは無く、一般から広く投資を集めよう!と言うコンセプトのそれは、まず計画書を提示し、それにより投資を集める仕様、もちろん企画書投下には相応のコストと審査がある。それにより起業も比較的やりやすくなって。店等の建設も増え、製造業も民間の受注が増えたが。それと共に起業者間での場所の取り合い等の諍いが起こる様にもなり。その解決策が必要になった。
「かむろぎネットワーク」により、日本全国をネットするゲーム専用のインターゲート回線が敷かれ、「電影旅団オーガ」と呼ぶ紛争解決機構、が設置されている。TVゲームだ。ユーザー(人々)に対して両者の主張を公示し、ユーザーにお金を(ポイントの形で)払う事で兵力として集めて実際に戦争をやろう、と言う企画。民主主義の力とゲーマーのスキルを利用したそれにより、ともかく結果は出るようになり、衝突は短期間で決着するようには成った。ゲームセンターは類型のゲーム機が大量に設置されるようになり、以前に比べて客層も活気も変わった。問題視する人も居るが、実際に戦争するよりはマシだから我慢しろが、かむろぎ側の主張。
政府は特に、かむろぎネットワークを中心とした商業行為に対して介入する事は、無い。何故なら通常の法人故に、税金を普通に大量に納めているからだ。税収に著しく切迫し多額の負債を抱えた政府が、ほぼ最大の収入源に成ってしまった”それ”に対して異論を挟める状態では無く、かむろぎの事を「第二の政府」と呼ぶ人も居る。良くも悪くもかむろぎの存在故に、税収はようやく上向きになり、雇用も増えた。政府は相変わらず、民主党と自民党で論争が続いているが、ともかく民主党が第一党で有る事は変わらないらしい。支持政党無し、が最大多数派なのも変わらないが。
日本国内はそうして、景気の悪化から脱出はして。かむろぎネットワークは現在、アメリカへと手を伸ばしている。日本のシステムをそのままアメリカに展開しよう、と言う物で。ただ今は、インターネット自体にオーガを設置するかどうか?の議論中だ。TPPと言う怪しげな企画は、かむろぎに対するプレッシャーだと言う話も、一部には有る。諸外国との関係悪化は避けたいので、それでも最大の影響力を持つ地上デジタル放送にはかむろぎの事はまだ、一切出ていないので。存在を知らない人も多い。
なんて話を考えながら、私は次の駅に付いた。
今の上の話はあくまで想定でしかなく、実際にそうなるのか?には謎は多い。インターゲートを設置し、かむろぎを普及させ、アルプスを立ち上げ。それらが適当に育った所で結線すれば良いだけだ、が。「出来ない」理由には様々あって、特に今の政府が「最小不幸社会!」を主張する時点で、ちょっと色々と、国際的に、おかしい。菅総理がどれだけ無能でも、言葉の意味と言うかに留意が無い筈が無く、結局は国際的な関係を考慮しての弱腰姿勢、と言う視点で見ると、外国とか、そっちの方の何かのパワーバランスの意向だ、と言う事には成る。アメリカではリストラは普通だ。第2次世界大戦では日本は負けて、アメリカが勝ったのだ。それは何を意味するか?「例え悪でも数的優位を取れば勝てる!」と言う意味だった。それはその後の世界標準だ。権力を前にして民衆は敵では無い。実際の歴史ではその後、アメリカはソ連と泥沼の状態へ至る訳で、日本はその影で高度経済成長期を向かえた。マクロ的に見ると、第2次世界大戦は「アメリカの負け」だ。原爆を使った事による反則負けだ。国王の座に付いたがやたら国民の反乱を怖れ、軍備を増強し、結果ストレスに耐えられず自殺してしまった王様、と言うのも世界の歴史の中には居る。自殺しなかったとしても、負け側が「違う!」と主張するのはストレスが高いのだろう。恐らくは何かの、アメリカの追い詰められた何かだとは思う。
地デジの画質は、悪い。高解像度だが動きの激しい時にはノイズが寒い。TVの解像度が上がれば上がる程に画質の粗が見えると言う逆方向の特性も持つ。これを許容しているのは、今のデジタル放送は「娼婦の存在を否定してないから」だ。「強奪連鎖の犠牲者」はやむを得ない、が最小不幸社会の主張だ、アメリカ正義だ、今更覆す訳には行かないのだ。認めても罪人、認めなくても不景気。何かの結末まで、世界は、今までの「犠牲を肯定していた全ての人々」は、迫り来る”絶対に勝てない何か”と戦わされているのだ。
状況は悪いが、致命的に悪い、と言う事は逆に終わりが近い、と言う意味でもある。「セカンドキャビネット」にその時移行し先の様なかむろぎ国が誕生するか、或いは無政府状態になり無法者が跳梁跋扈する地獄と化すか、それは水面下の奮闘によるのだろう。
END