森宮照の、気ままに
ショートサーキット
2003/07/11
「少女の見た、夏の日の夢」


 −顔も見た事もない少女が一人、誰かに殺された。他にも同じくらいの歳の少女が死ぬ事は交通事故やら何やらでたくさんあるけど、もしその事件が無視できないと思うなら、それは貴方がその事件と何等かの形で無関係ではないからだ、と思う。−
 森宮 照(笑)

 という意味不明な書き出しでこんばんわ、超お久しぶりになりますショートサーキット、この所未成年者による凶悪事件も多発してまして、TV番組もなんだかいまいち面白いのが無くなって、外国の方ではエヴァンゲリオンを実写にしようなどと夢ぶちこわしの企画が立ち上がっている中、己を取り巻く一種の隔離政策は一向に改善される見通しが立たないままに時間だけが過ぎていく、まあそのせいと言う訳でもないのでしょうが一通り形になった美鶴さん制作もどうにも気分的に滞り(無駄な努力だよなぁ、と・・・)、まあイベント出品はこのままじゃ不可能だ、という事が割とはっきりしてきた所で、ある種の現実逃避かどうも先週から奇妙な妄想に取り憑かれていて、著しく言動が不安定になりつつあるのは皆さんもお解りだろーとは思うんですが。

今から書く話は、あくまで「ネタ」だと思って読んでもらいたいし自分もその様に脚色してますが、もし仮に下記のような状況が起こっていたら、「その子」の為に自分は何が出来るだろう、というか、そういう話なんですな。割とどうにもならない話なんですが、まあ聞いてください。



 一人の少女がいた。

 その子は、まだ14才位だった。仮にA子としようか、彼女の両親は早く死んでいて、小さい頃はお爺さんと暮らしていた、しかしそのお爺さんも年のせいで亡くなり、独りぼっちになった彼女はそのまま、何というか風俗のようなお店で働く事を余儀なくされた(まだ未成年なのに)。そこに至った経緯はよく解らない。身元引き受け人として名乗りを上げた人がそういう店のマスターだった、それは従業員を集めるある種の手段だった、おそらくそんな状況だったんだろうと思う。

 その「店」はまあ、ノーパンしゃぶしゃぶ等に代表されるような、どうも高級官僚などの風俗的接待を主に行う秘密クラブのような所で、お得意さまはまあ、金持ちだが少し変態の入ったおっさん達、A子の同僚も恐らくは何人か居たはずだから、幼女趣味?の人々専門の、隠れた名店、だったのかもしれない。そこで働いている内に、ある日何か大きな「接待」の仕事が舞い込んだ。それに出席したA子は、そこにいた”お客”にいたく気に入られてしまい、「私の愛人にならないか?」という話を持ちかけられる。店のマスターは当然二つ返事、A子もまあマスターからの強いプッシュもあって了承、その日から彼女はそのお偉いさん専門となり、店に出なくて良くなった。その結果として店の同僚からこれ以後冷たくされて友達が居なくなる訳だが、まあそれは後の話。

そのお偉いさんはまあ、「かなりの高官だ」という説明だけで詳しい事は一切教えてもらって居なかったが(どうも外人だった、かも)、何せその優遇ぶりというかは半端じゃなかった、様だ。不幸な身の上、同僚からは冷たくされ初めていた、そんな状況の中で考えられないくらい優しくしてくれるそのおじさんにだんだん彼女も本気になり始めて行って、まあ最初はおつきあい程度だったものをもっと深い関係になっていくという、ある種お決まりのパターンに陥っていた(というか、彼は最初からそれが目的だった訳で、彼女をその気にさせる周囲への”操作”も或いはしていたかもしれない)。まあその時は「このくらい権力のある人なんだから、愛人いっぱい居て隠し子もたくさん居るんだろうな」、あるいは彼女はそう思っていたのだろう。愛玩されては居るが愛されては居ない。シンデレラの魔法の時間はいつか終わる。そしてまた、悲しく惨めな日々が始まる。それはまあ、解っていたけど。

それでふと、彼女は「ガラスの靴」が欲しいと、そう思ったのかもしれない。だから彼女はある日、こっそり安全ピンで、ゴムに穴を開けていた(”ゴム”とは何か? それはクラス一番のおませさんに聞いてください(おい))。

そのまま数ヶ月した後、体の不調を訴えた彼女が病院に行くと、医者はおそらく複雑な顔で、「ご懐妊です」と、A子の予想通りそう言った。”彼”に怒られる事は解っていたが、「おろせ」と言う彼の説得を彼女はかたくなに拒んだ。子供が欲しかった。魔法が解けた後、いつか彼が迎えに来てくれる、来てくれなくても子供と一緒にいられるそんな日を夢見てか、おそらく彼女は初めて彼に逆らって、結局彼は「産んでも良い」と、その時は折れてそう言った。このくらい権力のある人なら、隠し子の一人くらい大した問題じゃない、この子が大きくなったらあるいは迎えに来てくれるかも、そんな淡い期待で喜んでいた彼女には、この時の彼の真意は解る筈もなかった。

その日から、その”お偉いさん”は彼女の店のマスターと、ある計画を始める。

その頃もう一人、同じ位の歳の子で、まあ仮にB子としよう、が居た。彼女の両親はその頃多額の借金に喘いでおり、恐い借金取りが彼女の家に押し掛ける毎日。心身ともに疲労の極地に居た彼女ら一家はもう少しで「一家で死ぬか?」という話になりそうだった、そんな時、借金取りの一人がある相談を持ち掛けてきた。

「まあ聞いてくれ。実はあるお偉いさんがちょっと変態行為の末に一人の馬鹿な女を殺してしまってね。それでその死体をこっそり処理したいと言うんだ。でな、それに協力してくれるなら、あんたらの借金をチャラにしてやろうというんだが。なんせかなりのお偉いさんだからな。逆らわない方が良いと思うが、どうする?」

何もB子を殺そうっていう訳じゃない、死んだ事にするだけだ、脅しも含めてそう言われて、それにB子ら一家は納得した。数日後に彼女は、手はず通り見知らぬ人に”さらわれて”、そしてそのまま行方が解らなくなる。

同じ頃、同じく借金に喘いでいた少年達(親の借金か、何かの事故の結果か、それは解らない)がいて、同じくその借金取りの人々から「実はお偉いさんが一人馬鹿な女を偶然殺しちまってね。その罪を被ってくれたら借金チャラにしてやろうって言うんだが」と話を持ち掛けた。計画はこうだ。とある倉庫にその女の死体を持ち込むから、そいつをみんなでレイプして、その後で身元が解らない位にめちゃくちゃにしてやって欲しい。特に、”子宮”の辺は徹底的に頼む(子供が出来て居た事が解らないようにな)。おまえらはまだ未成年だし、殺人罪でも数年で出てこれる。その後は戸籍も変わるし別人になる訳だから社会的なマイナスも少ない。それでチャラなら、悪い話じゃないだろ?

もちろん、身元が解る程度に手を抜いたら、刑務所の中であっても殺しに行くからな。

そんな脅しも併せて、彼らはその日、持ち込まれた遺体を、集められた「なんか、映画の撮影用に作られた”人形”の耐久テストだって?」なんて聞かされた脳天気な少年達と共に、その、”まるで本物のような少女の人形(本物の死体)”と、面白がって戯れて遊んだ。あるいはその時振る舞われた飲み物の中に幻覚剤の様なモノも含まれていた、のかもしれない。ちなみに主犯格の少年らが背負っていただろう負債は、この事件がおきる前に「どこかから調達された資金」によって清算されていた。

夢がさめるのは、死後硬直が始まり、血が流れて肌が黒ずみ始めてからだ。それが本物の死体だったと気づいた彼らは、あわてて隠そうとして、そこを見つかった。

しかし警察で彼らの主犯格は、手筈通り「自分たちが”B子さん”を誘拐しておもしろ半分にレイプして殺しました」”自供”して、状況証拠と併せて他の少年達の弁明も「言い逃れ」だと判断され、結局「未成年の少年達多数が一人の少女を監禁し死ぬまで悲惨な暴行を加えた」という事件として報道された。その死体はそこに運び込まれる直前まで生きていたのか、それとももっと別の方法があったのか、それは分からないが、とにかく司法解剖の結果いくつかの不明瞭な点は少しあったがともかく「その倉庫の中で死んだ」と判定され、B子さんの親も警察で悲惨な亡骸に対して「間違いありません」と誰知らぬ少女の死体にそう証言して、この事件は彼らが起こした凶悪事件と言う事に、なった。その後にB子さんのご両親には”どこかのお偉いさん”から「あまりに悲惨だ」と言う事で見舞金として多額のお金を渡されて、彼女の家の借金は、それで消えた。

その頃、本物のB子さんは例の店を「辞めた」所で、自分の死は新聞で知ってショックを受けた。でも彼女はあのお得意様を怒らせてその結果として顔に怪我をおったとかで、顔には包帯をしていたから同僚の少女達もその子は「A子」だと思っていた。彼女はそのまま「A子」として”彼”と別れた形になって、今では別の所で働いている。お偉いさんの愛人の一人は、こうして清算?された形になった。


さて、本物のA子さんはどこに行ったのだろう? というのが問題なんだが(-_-;)

まあ他にも、「何故そこまでしなくちゃいけないのだ?」とか様々な疑問はあるだろうけども(それについては一応答えは有るけど、まあ伝え話からの推測なので何とも)、大体のあらましはこんな感じの事件が実は昔起きたんじゃないか、という、まあMMR的なネタ話なんだがしかしどうだろう?という気がするんだな。その「お偉いさん」が果たしてどのくらい「お偉いさん」なのか。実はアメリカの政界財界に強い影響力を持つ人だったら。未成年者を愛人にして子供を孕ませてしまった、このスキャンダルを”そこまで”怖れた彼はその後に何をしただろうと。妙に青少年の凶悪犯罪に関心を持ち力の限り事件の再発防止に努め?、出来る事なら少年法など廃止して「凶悪犯罪を起こした少年はずっと刑務所に居てもらいたい」とか思う奴がその頃から妙に元気だったりしなかったか。彼らがそれにこだわる、その理由は何だろうかと思うと、なんだか背筋が寒くなる。

もしかしたら「これ」は、本当に起こった事件なのかもしれない。その店のマスターはその後「秘密の共有」という事からそのお偉いさんと強いパイプでつながる事になって、その結果としてあっちこっちで「分不相応な権力」を行使し初めて、しかし実力が伴わないからしょっちゅう問題を起こしているのに何故か処分できない、という事態になっていた、とか。最近著しく異常な感じがする一部業界ですが。実は内部で「そんな噂話」が今、そこはかとなく揺らいでいる気がするのは気のせいだろうか?

しかしまあ、この事件が起こった当時、自分は何をしていたかといえばとある同人活動に血道を上げていた訳だけど。もしかしてその頃の作品が流れ流れてその”A子さんも見ていた”からこその今なんじゃないか。森宮を見ると”その子”とその事件を思い出す、だから排除しようとしている。最近そう思う事が多くなって、なんだかやるせない気分になる近状です。

まあB子さん宅の当時の事情も知らないし犯人の少年達の事も何も解らないまま憶測で書く、というのもアレなんですが。この妄想がもし「本当」だったら、悲しいけれど、まだ救いはあるかなとか・・・いや、無いな(T_T)

まあしょうがないっちゃしょうがない話だけど。でも、何も殺さなくても良いじゃないかと思い始めるとどうにも止まらなくなってしまって。二つの命が不条理に殺された無念さは、きっと今もまだ、ここにある。

・・・・ふう。


END