遭難家族 岩菅山にノボレズ  
2004.10.16


極上の紅葉を求めるシリーズ第2弾として選んだ場所は志賀高原の岩菅山(2295m)。
志賀高原はスキー場などリゾート開発の歴史でもある。
そんな中でゴンドラやリフトをかけられ山肌を削られることなく、原生林に覆われ
た岩菅山は志賀の奥座敷的な山であると感じる。
おりしも二晩前に標高2,000m以上の一帯は初冠雪を記録した。
この時期は天候次第で夏山にも冬山にもなるからナメてかかると痛い目にあう。
先週の八方尾根ハイキングで勢いづいた遭難家族はお宝を求めて志賀高原の
奥座敷へと向かうのであった。

岩菅山への登山ルートは、往路と復路で別ルートをとる計画とした。
往路は高天ヶ原スキー場から寺子屋山経由で稜線を行くパノラマ展望ルート。
復路はノッキリから一ノ瀬聖平に一気に下る原生林紅葉ルート。

スタート地点とゴール地点とが異なる為に、まずは出発前の事前段取りとして
ゴール地点となる一ノ瀬聖平の登山口にチャリンコをデポしてからスタート地点
の高天ヶ原スキー場にDISCでやってきた。
出発9:30。 気温は7℃。
ここからリフトを使い、少しでも標高を稼ぎ楽をする算段。
当初の予定では東館山のゴンドラを利用するつもりだったが高天ヶ原のリフトが
運行していたので、こちらのほうがはるかにコスト安と思われ、急遽変更。
(しかもコナツを幼稚園児と偽りタダにする超セコさ)

高天ヶ原リフト終点からこの時期は枯れ果てたドライフラワー園と化している
高山植物園の中を上り詰めると東館山の山頂となる。

ゴンドラ終点にはなぜか鐘があるパターンが多い。
当然、鳴らしてみる。


寺子屋山(2125m)のピークを目指し、スキー場のゲレンデを詰める。
長野市は雲海の下となり、遠くに雪の被った北アルプスや噴煙を上げる
浅間山が望める。最高の眺望だ。
一昨日の雪がしっかりと残っているが、風の無いのが幸いして寒さは感じない。


寺子屋山〜金山沢ノ頭とオーバー2000mの稜線を上り下りしながら進む。
雪解けで登山道がちゅるちゅる化してて、下りはけっこう滑る。
というか先週の反省から、いとこの春ちゃんのお下がりの登山靴を履いてきた
コナツはまったく問題無いが、かかとが擦れて穴の開いたスニーカーのヨースケ
が悪戦苦闘する羽目になる。
みんなスタッドレスタイヤで雪道を走るのに対し、彼だけノーマルタイヤで走行
しているようなものだ。
やはりタイヤ(足元)はとても大事だ。
とーちゃんの反省材料がまたできてしまった。
(ちなみに予備の靴下&水浸透防止の為のビニール袋←靴下の上に履く。は持ってきていた)


尾根の左が長野県。
右が群馬県となる。
上の写真は群馬県側となり、谷底は魚野川の源流部。
長野県側は眼下にスキー場やらプリンスホテルやらリゾート施設が望める
のに対し、群馬県側は手付かずのウィルダネス。
紅葉の谷がとても綺麗だった。


『下りのコナツ』
熊避けの鈴をシャリシャリ鳴らしながら軽快に進むナツ坊。
こいつのハイクスピードはなかなかなもの。
特に下りが尋常でなく速い・・・というか追いつけない。
GTホーキンスのトレッキングシューズを履いたら鬼に金棒となってしまった。


山岳地図のコースタイムでは東館山〜岩菅山直下のノッキリまで3時間。
距離で5〜6km。
地図上では大したことの無い尾根道と踏んでいたが、実際はなかなかのアップダウンで
なかなか岩菅山(写真のピーク)が近づいてこない。
あくまで遠足。楽しさが最優先。
ピークハントは2の次。3の次ということで時間と相談しながら登頂は諦めることにした。


山頂直下(でもないが)のノッキリというポイントで大休止。
時刻は12:30。スタートしてからジャスト3時間。
子供の足で大したものだ。えらいぞ!よく頑張った!!
山頂まではここから約30分(クぃーーーーんとした登りとなる)だが、止めてお昼にした。


かーちゃんの作ったおむすびにカップ麺が今日のお昼。
この時期は熱い汁物が山ではしあわせなんだよね〜。
ちなみにナツ坊は麺を別皿に移してやらないと食えない。


陽が射さない樹林帯はけっこう冷え込む。
めいっぱい着こんで雪がタップリ残るボブスレーコースの様な登山道を下る。


フリースの帽子にマフラーに手袋。綿入りのジャンパー。
念の為に持ってきて大正解だった。


振り返り見る岩菅山。
ダケカンバの白さが映えるんだよねえ。
もしかしたらこの斜面で長野冬季オリンピック種目「滑降」が
行われていたかもしれない。
いや〜、助かって良かったね。


下れば下るほど暖かくなってくる。
そして色彩が豊かになってくる。
顕著だ!


『倒木アスレチック』
子供はこーゆうのが大好き。


『向こうの山なみ』
だんだんお宝が現れてきたぞ。


『はっ!』
下りのコナツ 健在!


ゴール間近な標高1700mのこのへんが極彩色ワールド。
お宝地帯。
北アルプスのそれとはまた違ったピークの紅葉が楽しめた。


で、無事ゴール!

だが、とーちゃんはこれからチャリで高天ヶ原までDISCを回収しに行かなければ
ならない大仕事が待っていた。
しかも延々と登り坂!なのだ。
今回の工程で一番辛かったのねんねん!
最終的に人知れず遭難してたのは「親父@遭難隊長」だったのだー!
(哀愁の背中だねえ〜・・・・でもないか)


おしまい


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