マングローブに覆われた大ジャングルを大山猫号で探検遡行したらおもしろいだろうなあ。
それがカヌーを所有した時からいつかは実行してやろうと考えたイメージ。
東南アジアかグアムあたりに行けばそれが実現できるかな?・・・と考えていた。
しかし、ネットで検索してみたが、ちゃらちゃらビーチでバナナボートでじゃれるツアーはあってもジャングル
遡行ってのは無し。
だからといって、ベトナムのメコン川じゃあ病気持ちの我が身を考えりゃ自殺行為。
それに俺だけじゃなしにカミサンや子供達もいっしょであることが俺のイメージ実現にとっての絶対条件。
で、ネットでもって「ジャングルカヌー」で検索して最も多くヒットしてくるのが「西表島のカヌーツアー」だった。

西表島ってのはガキの頃からすごい魅力ある島だ。なんたって秘境だ!東洋のガラパゴスとかで島固有の
動植物も多い。
でもすごく遠くにある気がしていた。
飛行機で行って、更に船を何本も乗り継いで・・・っていう。
でも、調べてみたらそうでもなさそうだ。昔イメージしていた頃とは時代が変わったらしい。

それからというもの頭の中はイリオモテ一色になった。
自分だけでなしに息子にも洗脳して2人で図書館に図鑑を調べに行ったりもした。

そして、あくまで自分(達)らしく西表の自然にまみれてみたいってのが今回の旅行のコンセプト。
なぜならば、俺たちは遭難家族だから。

3/20(土)
朝5時半。長野の自宅を出た時の外気温は2℃。
昨日は雪まで降った。
春遠からじ、くそ寒い長野City。
でもこれから向かう八重山列島では本日が海開き。
なんだか信じられないような気持ちを抱えて、冬枯れの中央道をひたすら南下するのだった。

名古屋空港発のANKのフライト時刻は11時20分。
ところが案外早く愛知県入りした為に、高速代を節約すべえとセコイ意識が働き、小牧IC手前で中央道
を降りる。
下道を小牧市郊外の空港向けて走り出すが、もれなくロストルート。
なにせ、俺の車にはカーナビも無ければ地図も無し。
たよりになるのは頭上の道路看板と勘のみ!という怖ろしくいい加減さなのである。
で、気がつきゃ路地裏みないな奥の細道を迷走してる始末。
始めは余裕かましてたナビシートのかみさんもそのうち焦り始めて後部シートでうるさく騒ぐ子供達に
「お父さんが道探してる時は静かにしなさい!」と激る始末。

しかし冴えてるお父さんはちょっと違うぞ!
「おい、みんな空を見ろ!飛行機を探せ!」と指令を出す。
飛んでいる飛行機があれば、その離陸飛行角度の延長線上で地上と交わる点こそが飛行場である!
という理論。
さっそくヨースケが左手前方距離7km高度500m付近に旅客機発見!
よし、あっちに向けて走れば飛行場にたどり着くぞ!とあっちに向けて走り始めるも、気がつけば次に
発見した飛行機は進行方向の右側から飛び立って行ったり、はたまた背後から飛び立ってみたり・・・・。
結局のところ名古屋空港をグルりと廻るように迷走していたようだが、なんとか10時過ぎには予約した
パーキングに車を預け入れ、大荷物と共に空港カウンターにたどり着いたわけである。


今回はとりわけ荷物の量が物凄い。
コールマンファミリーテント(3m×3m)&ポールの入った60LTバッグ 重量16Kg
シュラフ4人分・コッフェル・コンロ・水中眼鏡・釣り道具なんかの入った100LTバッグ 重量20Kg
着替えなんか入ったlowe alpineの70LTザック 
同じく着替えなんか入ったjack wolfeskinの40LTザック
そして極めつけが今回の西表行きの為に、友人のnoguchiがしつらえてくれた特製カヌーキャリーバッグ。
160LT 23kg
こいつの説明はまた後でするが、空気を入れて膨らます、言わばゴムボート型のカヌーである大山猫号は、
萎んだ状態で丸めてしまえばかなりコンパクトになる。
そいつを放り込み、更に分割式のパドルとライフジャケット4人分をテントマットでくるんで収納することが出来る。
かなりの大きさだが、空港手荷物寸法基準に従い作った代物なのでオーバーチャージをとられる心配は無い。

これらを空港カート2台に分乗させ荷物検査を受けるが、現地での生活必需品であるコールマンガソリンストーブ
peak1が怪しい!とひっかかってしまった。
燃料であるホワイトガソリンはしっかりと抜いたはずであったが、係員がキャップを開け振ってみるとピシャピシャ
と雫が飛び散る始末・・・・・・あえなく没収。
煮焚きの道具としてはもう1台カセットコンロ(ボンベは現地調達)を忍ばせていたので体制に影響なし!とpeak1
は素直に諦めることにした。

そしてまだある。
手荷物検査でカミサンのウエストバックから隠し持っていた100円ガスライター3ヶ。アーミーナイフ1丁が発見
・・・・同じく没収。


まあ、そんなこんなで早くもドタバタしながら定刻通りボーイング737は名古屋空港を飛び立った。

卒園旅行(と聞くとかなりリッチなイメージだなあ)となるナツ。
前回の飛行機旅行は彼女がまだ2歳だったから、実質物心ついて初めての飛行機旅行となる。
大好きな喧嘩相手のにいちゃんの隣でうれしくてしょうがないようだ。





身も心も冬支度の世界から、気分は夏模様の石垣島へ。
空港係員は真っ赤なアロハシャツ姿。
いいねえ〜、いよいよ始まるねえ!

さて、問題の大荷物5ヶ分を次は西表島行きの離島桟橋まで運ばなければならない。
これはタクシー2台分乗作戦で対応。
離島桟橋まで15分(\820×2台)

実はここからが勝負のしどころで、石垣空港着が14時15分。
そして西表島行きの八重山観光フェリー発が14時40分。
この便を逃すと次は16時発となる為、無駄な停滞が発生してしまう。
そんなわけで、今まさに出航しようというフェリーにちょっと待った!を掛け、その間にチケットを
購入し、桟橋に転がっている台車を目ざとく見つけ、荷物をデッキに運び込み、冬モードの支度
のまま気温25℃の中でバタバタしてたら汗でぐっしょり


ホッと一息つく間もなく、サザンクロス号は石垣港を離れていく。

やれやれな気分でグォングォンと白波を立てて海上を突き進むサザンクロス号の後部デッキ
の白いベンチに腰掛ける。
へへへ・・・自然ににやけてしまう。
青い海、青い空
 思い描いていた通りだ。


ちなみにサザンクロス号には観光バスのようなエアコンの効いた客室がちゃんとある。
普通はそこに座って船外の景色でも眺めながら船旅を楽しむ。
だが遭難家族的にはデッキにこだわる。潮の香りと風を感じる。
デッキにはダンボールに入った玉盛スーパー行きの大量の物資と、くわえタバコの眉毛の
太いおっさんと俺ら家族の5人だけ。



12月の冬生まれなのに「こなつ」と名付けたのは、こんな南の島の元気をイメージしたからだ。
名は体を表すと言う通り、元気良すぎる明るい子になった。

40分ほどで西表島 東部の大原港に着く。
すぐさま電話予約してあった西表レンタカーに携帯連絡すると、15時40分に今回の足となる
カローラバンが到着。
日頃会社で使っている車種なのと、ディーゼル臭の漂う室内はこの間までの愛車だった
ハイラックスPick upとまるで同じで違和感無し。
カーゴスペースには今回の大荷物全てが収納できた。
3/20〜3/27まで借り切りで29000円。この島でこのサイズでこの金額は非常にエコノミーである
としか言いようが無い。

大原港を出ると真っ先に現われる信号のある交差点。
この交差点の向こうに大原地区の日常雑貨を支える玉盛スーパーがある。
地方の文化はスーパーに有り。が、長年の経験に基ずく考えだ。
さっそく立ち寄り、異国の文化を見て、嗅いで、ちょびっと買い出す。

西表島の東部と西部をつなぐ生活道路 県道215号線の終点に南風見田キャンプ場がある。
ちょっとした空き地に炊事場もあり、ライダーや放浪の若者達 数組のテントが張ってあった。


キャンプ場に隣接する駐車場にカローラバンを止め、ちょっとわくわくするプチジャングルの
トンネルを抜ける。


嗚呼南風見田(はえみだ)の浜
ここが西表の最南部。
最果てを感じさせる何も無い美しい浜辺。
ここに立ち、海を眺めたら泣き出してしまうんじゃないだろうか・・・と想像していたが

(最近めっいり涙腺がゆるくなった)
実際に立ってみるとひたすらボーッとしてしまう。
体育座りのまま何時間でも風に吹かれていたい。



この浜辺の奥地には世捨て人たちが長期に渡って滞在しているという。
毎日、海を眺め風に吹かれ泡盛を飲む自給自足の生活。
友人のシゲも若き頃、ここ南風見田浜の生活者だった。



ふと振り返ると南風見田浜のあずまやの木のてっぺんにカンムリワシがとまっていた。
野生動物の王国 西表島で
見たかった動物に早くもご対面できるとは感激だ。

「ヨースケ!ヨースケ!おい、カンムリワシだぞ!」
写真をスケッチしながらお手製の「いりおもて動物図鑑」なるものを作成してた息子に
本物の姿を見せてやる。

「おとーさん、カンムリワシって・・・・・・なんだか小さいね」

「・・・・・・・・・・・。」


う〜ん、確かにワシってゆうわりには本土のトビくらいの大きさなのである。
でもワシは鷲、威風堂々としている。
(ちなみにその後は電柱やらなんやらでかなり頻繁にカンムリ鷲を目撃することができた)



南風見田浜で1時間半くらい遊びほうけてから宿に向かうことにする。
そう!今晩は遭難家族らしからぬ宿泊なのだ。
民宿なみ荘が今晩の宿なのだが、実はこの宿の場所を正確に確認していない。
これから集落内を探し回らなくてはならない。
(電話1本すりゃいいことだけど、それをしないとこが遭難家族)

大原の集落では見つからなくて、仲間大橋を渡った向こう側の大富の集落まで行き、大富共同
売店でカセットコンロ用のボンベと缶コーヒーを買うついでに、なみ荘の場所を聞くとやはり大原
だという。
再び大原に戻り、玉盛スーパー前の看板地図で確認したら、その看板の道の向かいがなみ荘だった。


なみ荘の玄関
なみ荘は庭の花が綺麗でかわいい感じの民宿。
この宿のばあちゃんがなみ子さんだからなみ荘なんだって。
子供達はそのなみ子さんからおいしいお菓子を頂いた。

部屋は風呂付トイレ付き 2階で眺め良しの部屋もあるが,1階で共同トイレ&風呂の安いほうにした。
晩ご飯は地元の海で採れた魚料理がメイン。朝飯も盛り沢山で一家4人で14000円は安い!

晩飯後は各自懐中電灯を持って大原集落のナイトツアー(要は散歩ね)にお出かけ。

ここは大原の郵便局。
さりげなくイリオモテヤマネコのオブジェなんかがあったりする。



集落の外れのデイゴの木にはバサバサ、ユサユサとけだものの気配。
懐中電灯で照らすとばかでかいヤエヤマオオコウモリが3匹枝にぶら下がりながらデイゴの赤い
花を食っているんだ。
すげーーーー!
かっこいい!!
羽を広げりゃ60cmはある。
電気で照らしたらそいつが、しょんべん撒き散らしながらバサバサと飛び回った。




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