[孫子]

日本のアメリカ型競争社会において、孫子の兵法は、2500年も経った現代にも、組織の行動に有意義に使われているのは、 長年にわたる、色々の戦いに利用されそれなりの効果があったからでありましょう。
過の武将、武田信玄や徳川家康は、孫子の兵法を駆使し、それなりに功を得たと言われています。
人間の一生は、戦争だけでなく人生そのものが、社会の中での戦いであります。
さてそれでは、孫子の兵法とはどんな方法であったのでしょうか?
現代社会に役に立つ様に解説してみたいと思います。


「孫子」は、どうしたら戦争に勝てるかを書いた本です。
そして、その真意は人生の戦いにおいて、人生を勝ち抜く知恵の指針でもありましょう。


★ 戦いに常道はない。
だから能力があっても無能な様に見せかけ、効用があっても 無い様に見せかけ、近くにいれば遠い様に見せかけ、遠くにいれば近い様にみせかけ、 利で誘い、乱して取り、相手が充実すれば備え、強ければ避け、強い態度に出て相手の 意気をくじき、卑下して相手の驕慢(きょうまん)を誘い、休息している時には疲労させ、親密なものを 引き離し、その無防備を攻め、意表をつくのである。

★ 自分のほんとうの力はかくしておけ。
攻撃は、いったんはじめたら、徹底的でなければならない。そういう攻撃をはじめるのは、攻撃時期が大切である。 孫子によると、十分な余裕が出来てからである。
守備の上手な人は、大地の底の底にひそみ隠れ、攻撃の上手な人は天界の上の上で行動する。
すなわち、その態勢を表さない事である。
守備をするのは、戦力が足りないからだと、孫子は言っている。

★ 順調な時こそ油断は禁物である。
孫子は言う。戦乱は平和の中から生じ、怯み(ひるみ)は勇気の中から生じ、 弱さは強さの中から生じる。
全ては変化するのだ。平和はやがて戦乱に変化する。
自分は勇敢に戦っているのだと思うその思いのなかに、退廃が潜んでいるというのも、事実である。

★ 適材適所の効用を知れ。
孫子曰く「よく戦う者は、これを勢に求めて人に責めず」。
戦上手は、勝利を求めるのに勢によってし、人の能力にたよろうとはしないものだ。
だからこそ、よく人を選んで、勢いのままにさせる事が重要である。
丸い石を斜面に置けば、ひとりでに転げはじめる。角ばった石ではそうはいかない。
丸い石を斜面に置く、これがつまり選び出した人材を、勢いのままにさせるという事である。
丸い石は、こちらで力を加えてやらなくとも、ひとりでに動き出し、やがて加速度をつけて 想像を絶するスピードを出す。
適材が適所に用いられた場合、その人材は持てる力の何倍もの働きをするものである。
武田信玄の山本勘介の採用が、孫子の意の実行であろう。

★ 風林火山。

「疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、
侵略すること火の如く、動かざること山の如く」

一度有事を起こしたら、ためらう事なくもたもたしないで素早く行動すること。
軍の行動が林の様に整然としている事。
火のごとく、激しく、力一杯突き進む事。
待機する時は、じっくり静養、栄養補給して、力を十分蓄えながら、敵にさとられる事なく、静かにしてる事。

★ かならず損得利害をあわせて考えよ。
智者というものは、一つの事を考えるのに、必ず利と害とをまじえ合わせて考えるものだ。

★ 敵が攻めてこないだろうとアテにするな。
世の中に生きて行くためには、又何事をする場合も、
「智者の慮は必ず利害に雑(まじ)う」
というように、利害損失を考え、水平的な思考を拝し、垂直思考でいくべきである。
そして、事に当たる時の心掛けはというば、孫子のいう様に、
「敵のやってこないことをあてにするのではなしに、こちらに敵がいつやってきてもよいような 備えを持つことが大事であり、また敵が攻撃してこないことをあてにするのではなしに、 敵が攻撃しようにもできないような態勢をこちらで固めておくことが大事」 なのである。
戦争というものは、決して固定観念にとらわれていたのではいけない。
武器を相手(敵)に使わせないためには、こっち(味方)も同じものをもたなくてはならない。
現代の21世紀の国際においては、良い教訓であろう。


続く