オリンピックリポートin白馬


このレポートは男子滑降会場を中心に日誌形式で書き込んでいきたいと思います。


in白馬2月2日 晴れ
トンネルをぬけると北アルプスの山並みがくっきりと私たちを迎えてくれた。やぁ本当にこれは 「WelCom to白馬」である。
9:30白馬着ウイング21で手続きIDカード作成ユニフォームを受け取る、これはM社作成のユニフォーム です。結構着心地もいい
12:00ゴンドラで109まで、それにしても今日はなんでこんなに天気がいいのだろう。こんな日に 競技をやればいいのになぁー!!
八方の火祭りがありました。岡部哲也、細川たかし、自衛隊、パトロール、スクール 、歴代デモのみなさんのデモンストレーション。照明が消え、たいまつ滑走が始まります。 ゆったりとした音楽の中、神秘的で幻想的な雰囲気となりました。火が火の輪に点火されると次々 にスキーヤー&ボーダーが飛び出してきました。


テストラン2月3日 晴れ
8:30109集合、今日予定のテストランのためグラートスタートから109まで コース管理及び整備
11:00テストラン開始、前走予定者10数名がラビットフット(109)まで滑走する
13:00アルペンジャンプ上部の急斜面の雪が柔らかく水入れ作業となりました。 作業終了18:30暗闇のリーゼンコースをフラフラになって降りてきました。


5分間の晴れ間2月4日 雪のち曇り
4:30起床、いよいよ、戦闘体制本番まじか(積雪20cm)
6:00109集合、昨日からの雪によりコース内を排雪作業。排雪作業 が間に合わず、全コーステストランは14:00まで延期。
14:00テストランだがコース中間がガスで視界不良、待つこと約1時間 一瞬コース内のガスが晴れた。前走スタート3人が滑走、またガスが 巻いてきた。3人でその後は中止
排雪排雪作業とは硬くアイスバーンにしたコースに、雪がつもるとスキーが 捕られ危険なため雪を排除する作業


恐怖のアイスバーン2月5日快晴 

今日の白馬は外国人選手も思わずビューティフルとさけびほどの快晴であった。男子ダウンヒル の公式トレーニングは予定どうり10時より開始された。今回のポールセットは`96ワールドカップ のポールセットにくらべかなり左右に振られている。特に兎平のアルペンジャンプ上の左ターンは 急激なうえに逆バンクなので大会中にコースが削られることが予想された。したがってコース係の手で たっぷり水がまかれ完璧なアイスバーンに仕上げられていた。その硬さは半端ではなく、 そこをデラパージュで通る各国のコーチや関係者は足をすくわれ転倒者続出、コース係もビビル ほどである。ところが、そこをトライアルで滑る外国の一流選手は完璧なターンでいとも簡単に滑走して いくのである。あとでラインをみるとポールすれすれの青氷の上に深い二本の溝がくっきりと 掘られていた。改めて外国一流レーサーのテクニックとパワーを見せつけられた思いがした。


開幕前夜:白馬の町2月6日快晴 

夕方から降りしきる雪、雪の祭典を祝うかのようです。白馬の町も、各国オフシャルハウス や、メーカーののショウルームなどおしゃれな店が並んでいる。立ち寄ったカフェテラスでは、 外国のオフシャルサポートらしき人々が談笑している。遠くに見えるのは、ジャンプ台の灯り と名木山のナイター、いつもの夜景です。たまにすれ違う異国の人、以外とひっそりとしている。 メーカーオフシャルハウスで、降りしきる雪景色をみながら冷たいビールを飲む

快晴に恵まれた公式トレーニング2日目、予定どうり無事終わりました。

明日は公式トレーニング3日目

公開トレーニング:3日目2月7日曇りときどき晴れ

夕べからの雪によりコース内30cmの積雪、朝早くからコース役員はコース内の 排雪作業に取りかかった11時頃排雪作業ほぼ終了。公式トレーニング:3日目、12時10分 よりスタート、本番間近ということもあって観客もおおぜい詰めかけている。毎回前走の前に ビデオカメラを持った選手が滑走する。なんとこれがこのコースの設計者である、ベルンハルト、ルッシ氏 である。その後に頭にカメラをつけた選手が滑走、そして前走者6人が滑走する。今日のエントリーは 55人、天候が不順なため60秒間隔でスタート、選手1人につき2名のコース役員がコース整備を していく。こんなハードなバーンでもさすがにスキーのスペシャリストが集まっているので かなり高速でデラパージュしていくのである。約4旗門ぐらいを10〜15秒ぐらいで整備していく。 明日は、いよいよ本番役員宿舎には、たくさんのメッセージがかかれた照る照る坊主がさげられている いよいよ明日レースができますように!!


アルプスの女神は微笑まず2月8日 曇りのち雪
6:00109集合、今日はいよいよ本番である。朝早くからレースオフシャルたちは 各持ち場でレースへ向けて準備             
9:00各セクション、定位置へつく。ガスがまいたり、晴れたり気をもませる 天気である。
10:03カメラを持った選手(ベルンハルトルッシ氏)、前走1〜3までスタート、 先ほどからのガスが急に濃くなってきた。
11:30待つこと、1時間15分ついにジュリーはレースの順延を決断した。 アルプスの女神はすこしいじわる、楽しみなレースはお預けです。2万人の観衆のため息とともに レースは延ばされた。午後は猛吹雪となった。

ジュリーメンバーは、技術代表、競技委員長、主審、副審、スタート審判、 フィニッシュ審判、コース係長


白馬は大雪2月9日雪のち曇り
複合SL予定
6:00悪天候のためゴンドラ運休、名木山高速リフトで109まで
6:30SLスタート(カモシカジャンプ)で排雪作業開始、大雪(70cm)で作業がはかどらない 、雪の量が多くモーグルバーンのようになってしまう。気温があがるにつれ雪が重たくなりますます作業 困難。2万人の観衆はただ排雪作業を見守るだけ。
11:40雪が柔らかくコースコンデション悪いため、レース明日に順延
お客さんの話昨日、今日とレースが順延になってがっかりしました。 いつになったらレースがみられるのかなー、日程に余裕のある人はいいが、帰らなくてはならない人は かわいそう、みんなでてるてる坊主でもつくろうかなー。


男子複合SL開催2月10日雪降り
6:00オリンピックコース1、カモシカジャンプ複合スタート地点集合 昨日に続き排雪作業、さらに10cmの積雪あり。
8:30SL1本目スタート、コースは昨夜のうちに全面に水がたっぷりまかれ、 アイスバーンに仕上がっている。その硬さは雪というよりも、完全な氷でストックも突き刺されらない ほどである。そのような過酷な条件の急斜面で技術を競いあうのである。セットもむずかしく コースアウト、転倒者続出。しかしその中でトップレーサーたちはスキーを下に向けてなめらかに 滑り降りていく。そんな滑りをまのあたりにして、感動的な経験であった。2本目のコース排雪作業 急ぐ、雪はどんどんと降りしきる。
11:00SL2本目スタート、フィニッシュゾーンにはおおぜいの観客が、笛や ラッパでで選手を待ちかまえている。ガンバル選手には声援が飛び、失敗しすると大きなため息が漏れる。 選手とお客が一体となって盛りあがる、オリンピックならではの光景である。今後のレースが楽しみだ。
12:00とりあえず、複合の半分は終わった。昼食のときには、役員の顔にも 安堵感がただよった。
8:30

明日は、コース整備後滑降公開トレーニング


ピーカン八方尾根2月11日快晴
深夜109集合 丸山競技委員長が役員に異例のゲキをとばす、 機械力と人海戦術でゲレンデ整備、アルペンリフト終点ー20度超寒い。
8:00おにぎりの朝食で役員にも、不安と疲労感がかくせない。 みんな疲れきっている。
11:30コース整備がはかどらず、公開トレーニングキャンセル

スタート地点付近は1m以上も積雪がある、ネットは埋まっているこれはたいへんな作業だ。 ラインは機械が入らないので手作業で排雪する、とても時間が足りない。みんながんばって夕方 までには、コース整備が完了し選手インスペクションができた。明日はいよいよラストチャンスだ。 役員宿舎には、大きな大きなてるてる坊主がかけられた。


悪天候の白馬2月12日曇りのち雨
早朝109集合 コース整備 いよいよ今日はDownhillのレースができる。 コースは最高の状態に仕上がっている、役員もスタートをまつばかりだ。気持ちに余裕が出てきたのか あちらこちらで、コースをバックに写真をとる人たちもいる。
8:30それぞれの定位置につく。アルプスの山から曇ってきている、南からガス も巻いてきている、天気がもちますように。
9:00カメラ前走スタート、続いて前走スタート4人滑走後にスタート地点 ガスが巻きレース中断、12:00まで延期となる。
11:30天候の回復が見込めず、レースキャンセルとなる。上部は吹雪、下部は 雨となる。
13:00雷をともなう大雨となる、コース上部も湿雪となりコース整備は 振り出しにもどる。
17:00コース整備がはじまる、夜続く作業となる。


念願の男子滑降開催2月13日快晴
早朝109集合 複合スタート下ダブルゲートの排雪、役員八方スキースクール も応援にかけつける。時間がない、スタートは10:00だ!!最後の全勢力を排雪作業につぎ込む。
10:05カメラ前走スタート、続いて前走スタート。5人まで出てレース中断、 山からの追い風で選手のスピードが増し、アルペンジャンプが次の旗門(60M)まで飛んでしまうという 理由である。急きょアルペンジャンプを削る、スタートは11:00に変更される。
11:00再び、前走スタートレース開始、やはりコンビネーションスタート下の ダブルゲートのコースアウト、転倒者が多い。14番の選手も旗門にスキーを引っかけてコースアウト、 ネットに掛かり怪我をし、ヘリコブターで運ばれるハプニングの一幕もあった。
14:30複合滑降スタート、これはスタート位置をさげて1680mからの スタートである。2/10に行われたSLとの合計タイムで競われる。
シード選手30人中10人以上がコースアウト、または転倒するという過酷なレース、 今日のレースの番狂わせはなんといっても、優勝候補のひとりのオーストリアのヘルマンマイヤー 選手の転倒である。なぜこの選手が転倒したか、後ほど検証して ヘルマンマイヤーの悲劇と題してレポートします。 日本の滝下選手は惜しくもコースアウトしたが、富井選手は力強く滑りきり完走しガンバリました。


雨、雨、また順延2月14日雨
男子スーパー大回転の予定
早朝109集合 コースディラパージュ
7:40天候雨のため、スタート時間を9:30に変更。雨足ますます強くなる。
8:30天候回復の見込みがないため、競技中止を決定。競技役員休養の指示がでる。 ばんざい!!拍手が沸き起こる。
オリンピック裏方情報


濃霧、レースまた順延2月15日雪、濃霧
男子スーパー大回転の予定
早朝109集合 昨日からの雨が雪に変わり排雪ならびにコースディラパージュ
8:008:00インスペクションが9:00に変更、スタート11:00に変更
10:00スタート11:30に変更、以後30分ごとに変更依然霧は晴れない。
11:30ジャンプノーマルヒル、船木選手、金、原田選手、銅、の放送に役員一同 思わず拍手にわく。日本選手が活躍すると我々にも活気がわく。
13:20視界不良のためレース断念、またも順延となる。
22:00より明日のレースのためにコースデラパージュにいく予定、ただいま16:00 である。

八方最前戦

深夜のディラパージュ2月15日雪、
22:00109集合、予想したとうり上部は雪降り。集合しているのは50人あまり、 4班に分かれて1時間ごとに出動していく計画である。レースオフィスはすべてをを明日にかけている。 予定は8:30分スタート、ガスがかからないことを祈る。
23:303cmぐらい雪が積もった。出動命令がでる、いよいよだ!! 109からラインだけ6人ぐらいならんでディラパージュしていく。コース整備のときコーラをまいてあるので カチンカチンのアイスバーンに仕上がっている。何回かエッジコントロールが効かないところがある、怖い。 ところどころに圧雪車の灯りでコースを照らしていてくれる。しかしよく見えない、たよりは班長の頭の 灯りだけだ。ルッシジャンプにきた、恐怖で足元が震える。みんなよく下っていく、あぁー誰か滑落していく 、、、、なんとか止まったようだ。バキュームチューブは緩斜面でもアイスバーンのせいかスピードが出る。 カモシカジャンプまできた、みんな立ち止まった。みんな気をいれて下っていく、とても途中で止まることは できない。転ばないように行くだけだ、ゴールゾーンまできた。全員ケガをしないでここまできた、よかった。


霧の中のスーパーG2月16日霧、
4:00109集合、コースディラパージュ。あまり雪は降らなかったようだ、よかった。
8:00スタート地点集合、少しガスがかかってくる。
8:30ガスが濃くなり、スタート時間がのびる。今日できなければどうなるのだろう。
9:29あいかわらず2〜3旗門ぐらいしか見えない。でも先ほどよりかやや見えてきた カメラ前走に続き7人の前走のあとレース開始。スタートは1分間隔
10:20最後の選手がスタートすると、みんなで拍手。ヤッター終わった、 やっと終わった、長かった、バンザイーバンザイー。
コースのなかをターンしてゴールヘ集合、やっと横滑りから解放される。 ゴールではそれぞれに握手したり肩をたたき合ったりして、喜びを分かちあっている。白馬の空が 晴れている、すがすがしい青空だ。解散式に丸山競技委員長がビールで乾杯、あぁーうまいー。
女子滑降が行われているので、今度は観戦だー。ゴールゾーンで見るのも これまた、いいものだ。音響効果がすごい、選手がゴールするたびにチアホーンの合唱。ゴール めざしてくる選手の姿にはただ感動、感動、感激。


白馬よ、ありがとう

それぞれの任務を果たしたスキーヤー達は、みんな笑顔で帰っていく。もうみんなで集まる こともないだろう、みんな思いを胸に秘め、思い出を一杯詰め込んだ白馬をあとにする。 白馬をありがとう、長野オリンピックよありがとう。


白馬入りしてから、このページを支えてくれた多くのみなさん、またたくさんのメールをいただき 励ましてくださったみなさんありがとうございました。あらためてお礼を申し上げます、 本当にありがとうございました。

メールは agri@avis.ne.jp

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