パトロールオフイス




はじめに

 スキースポーツは、スポーツの中でも怪我の多いスポーツです。 そして自然環境の中で、人間には判断のしきれないところがまた、 事故怪我を招く一因ともなっています。パトロールの立場から、 スキーヤの皆様に誰も教えない、情報をお伝えして行きたいと思います。

総括(国際、2in1)

【国際】

  ファミリースキー場なのと、コースレイアウトがほとんど 一方向なので、衝突事故はあまりなかった、 特に今シーズンはゲレンデ状態も良い日が続き 大きな事故は皆無でした。 少ない事故の中でも、中高年、子供の骨折が印象に残りました。 中高年のスキーについては、普段使っていない筋肉などを 使うことになるので、体を良くほぐし適度の休みをとるような 日程にすることが事故を少なくする方法ではないでしょうか? 子供の骨折については、まだまだ体ができていないので ちょっとした転倒でも、簡単に骨折してしまうように思います。 やはり、大人が無理をさせない斜面を滑走させるようにするべき だと感じます。

  厳寒期はスキー場外の事故も多く目立ちました。 駐車場でブーツのバックルを外して歩き転倒→骨折 スキー場入り口のアイスバーンで転倒→骨折 この他にも打撲、切り傷などがありました。

  【2in1】

  ご存知、ボードーとスキーヤーの共存を目指しているスキー場です。 「お客さんの数と、事故数は比例する」私たちの長年の経験からです。 ボーダーが多いので上半身のケガが多く目立ちました。 脱臼、手首骨折、頭部打撲などです。 特に頭部打撲の場合は救急車要請が多いのも例年のごとくでした。 ワンンメイクの事故も多く、終パトまじかの事故目立ちました。 2in1はコースレイアウトも合流地点などが多かったり 斜面が見えないところも多く、お客さんが多い、ボーダーと共存などと 事故が起こる確立が高いように思います。 事故というのは、スキーに限らず3つぐらいのミスが重なり ホントに偶然がが重なり事故発生するように思います。

  ちょっとした気配り、他の人への思いやりが自分の身を守ることにもなるのです。 我々の第一の目標は、スキー傷害を「未然に防止すること」にあります。 毎日最大限に努力したつもりではありますが、不幸にも事故にあわれケガをされた スキーヤー、ボーダーの皆さんの一日も早い回復を祈念しまして パトロールオフィスはオフに入ります。
 
  ご愛読ありがとうございました。

 

タバコの吸殻

 タバコを嗜む方は、天気の良い日ゲレンデで一服とは格別なものです。 リフトに乗りながら同乗者と談笑をしながらのタバコは これまたおいしいものなのでしょう。 ところがですみなさん、春になって雨が降ると ゲレンデにはゴミが目立つようになります。 ビールの空き缶などはあたりまえですが、 ビックリするのはリフト下のタバコの吸殻です。 リフトに乗りながら吸い終わったら、ポイですね。 まさに自然破壊、環境汚染のなにものでもありません。

どうかタバコを吸われるスキーヤーの皆さん、 スキーにいかれるときは携帯用の灰皿をご持参くださいませ

続きます

子供を抱いたスキー

○月○日

 事故要請を受け、モービルで現場へいく 何の事はない、子供を抱いた40代ぐらいの男性が ニコニコ笑っている。

「子供に気を取られ転んじゃいました、 たいしたことはないと思うんですが歩けそうにありません」
パト「ハイハイ、モービルに乗れますね」
「乗れますけど、子供を先にお願いします」

幸い子供さんにはケガがないので下にいるお母さんのところまで 連れて行く、そして戻って男性をモービルへ、 しかし、男性は起き上がれないのです。 痛みはないが、右ひざに力が入らず動かせない 急遽予定変更で、ボート要請 ホテルに宿泊ということなので、患部を固定して ホテルの車で病院へ…… 診断の結果は、骨折

なんでもないところで転んで、骨折 原因は、子供を抱いていたことじゃないかな 少し運動不足の人が、スキーをして子供を抱いていたがために 自分の体重以上の負荷が足にかかり、耐えられなくなって 骨折に至った経過がうかがえます。 ゲレンデで子供をおんぶしたり、抱いたりしてスキーをされている スキーヤーをみますが、今回のことを踏まえますと あまりお薦めできませんですね。

カービングターンの盲点

従来カービングターンは、レーステクニックでありより速く滑る技術である。 高速で雪からの抵抗をうけスキーをたわませることにより、ずれの少ないターン弧が描けるのである。 近年、サイドカーブのきついカービングスキーの登場により 低速でも、たやすくカービングターンができ 「技術がお金で買える」ワンランク上の滑りができるようになりました。

しかし、スキーヤーの誤解からくる単純にサイドカーブにだけたよる 必要以上に内足に乗りすぎるスキーヤーが増えつつあります。 そういったスキーヤーは、ずれのコントロールがあまりうまくなく いったん決めた方向を修正することができない方が多いです。

整地で斜度もあまりなく雪質もよい条件では、カービングターンによる 快適クルージングを味わえますが、そういう条件ばかりではありません。 スキースポーツは雪山を相手にするスポーツです。 アイスバーン、深雪、クラスト、コブ斜面ありです。

スキーヤーのみなさん、カービング技術はスキー技術の一つの技術です。 スキーにはずらす技術もあります。ずらしのテクニックを習得されると、 より対応幅の広いスキーヤーになれると思います。

 

ある衝突事故

○月○日

2in1勤務のある日曜日、天気はやや雪模様お客さんはおおいにもかからわず 「事故が少ないなー、お昼にするか」って話しながら、お昼の用意をしていると 12:10分「○○リフト上部で出血しているお客さんがいる」 という通報を受け、いつもより三角巾を多めに持って、モービルで現場に急行。

そこには、女性ばかりの人だかり「どこが出血しているの?」 「頭を強打して記憶がないんです」 「ヤバ、出血じゃないんだ」一人だししらかばパト室にボートを要請 患者さんは、ショック症状なのかかなり震えている リフト小屋から毛布を借りとりあえず患者を被おう

聞くところによるとボーダー同士の衝突とのこと 衝突した相手の人は見当たらない、その場で叫んでみても どうもいないらしい

パト室に収容、どうも震えが止まらない、意識はしっかりしているが 相変わらず、一部記憶がないらしい、付き添いの方と相談して 救急車を要請、12:25分

さてさて、衝突事故なんだから相手がいないことにはと探すが なにせ混んでいるなかなので放送で呼びかけるぐらいしか方法がない 全館放送しても、なかなか現れず ある隊員「指名手配されたんじゃ、どこかに逃げるね」 それもそうだ 13:15分救急車到着、念のため頚椎カラーをやり 無事病院へ搬送

衝突事故は数々あれど、衝突した方がいない事故なんていうのもめずらしい みなさんもしぶつかったりしたら、必ず相手の方に声をかけてくださいネ!! 

スノーボードよる外陰血腫と外因裂傷

 信州大学医学部付属病院、産婦人科よりのスキー場通達文書より抜粋

 先シーズン、スノーボードに起因する外陰血腫と外因裂傷が増加していることを 発生状況調査で明らかにいたしました。
昨年、長野県のスキー場近隣の5病院で35件の外陰部外傷が発生しております。 発生状況から考察いたしますと、予防策を講じることにより発生頻度を低下 させることが可能と考えられますので、以下の点につきまして 広くスノーボード愛好者の皆様に知らせていただけると幸いです。

1)、ビンディングによる打撲で、外陰部の血腫(内出血で大きな血豆ができること) や裂傷が発生している(7割以上が入院を要し、平均6日の入院をしている)
2)怪我のほとんどは、片足からボードを外しているとき、バランスを崩して直立している ビンディング上にしゃがみこむように発生しており、多くはリフト降車時、乗車時に発生している。

#予防策
(1):片足をボードから外した際には、必ずビンディングを倒す習慣をつける。
(2):片足をボードから外していてバランスを崩したとき、ビンディングの上に
しゃがみ込まないよう意識する。(危険性を意識することで、お尻が落ちる位置をビンディング からずらすことが可能になる。

以上、周知徹底されていくことで、外陰外傷に遭遇する女性スノーボーダーはは減少すると考えられます。

人工雪の危ないところ

 降雪作業時の温度によって雪質がが極端に変わります。 たとえば、夜撒き始めは-5℃ではじめて、朝方気温が上がってきた場合、明けがたは かなり湿度の高い雪になってしまいます。 湿度の高い雪は、圧雪車ではすぐに作業ができないのでそのまま、 時間がくれば営業となります。 我々でも、朝一真っ白なゲレンデに雪質が極端に変わる危険な箇所に遭遇することが何度かあります。

 同じようなことで、マシンコブといわれるコブができていることもあります。 これは、やはり朝一の光の少ないところを、滑走してくると段差、落差などわからないことがあります。 対策として人工降雪しているスキー場は、朝からスピードをださずゆっくりとゲレンデを一通りまわってみる。

北斜面のスキー場の魔の時間

 9時前、15時過ぎは日陰が長くなります。とくに午後は さきほどまで滑っていた、場所が急に日陰になり段差、コブなど 見えなくなったりして、錯覚をおこしやすいです。

もし事故がおきたら

【まず、二重事故がおきないようにします】
・ゲレンデのすみによける
・スキーなどをたてて事故だとわかるようにする。

そして、リフトの係員、近くでレッスンをしているスクールのインストラクター、 巡回中のパトロール、などに連絡する。そのとき「だれが」「どこで」「どんなけが」をか 伝えてくれると、パトロールとしては次の行動が早くとれます。 たとえば「○○ゲレンデ、○○リフトの○番目の鉄塔の付近で、頭部から出血」 「○○ゲレンデ、○○リフト○番目の鉄塔の付近で、こどもが衝突で動けない」 こんな感じですね

【仲間に知らせる】
 スキー場の放送設備などで、仲間(家族)などでをパト室(救護室)に呼ぶ。
病院に行く場合は、仲間にその後どうするか迅速に相談(これが手間どる)
スキー場の近くの病院は混んでいる場合が多いので、手当てが急がない場合は
自宅の病院までいってしまう。スキー場に診療所がある場合は診察を受けるほうが賢明かも知れません
などなどです。


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