3月26日up

特集   「砂糖」

 

1.はじめに

 砂糖の危険性は以前より指摘されていましたが、マスコミの報道ではあまり出てきません。

(お菓子メーカー、清涼飲料水のメーカーがマスコミに支払う宣伝費は膨大です)日本では企

業利益優先の風潮があり、良識ある研究者や医師の声が取り上げられないからです。

 砂糖を摂りすぎると「虫歯になる」「太る」くらいにしか思われていませんが、虫歯になる

ことや太ることは表面に出てきた結果にすぎず、実際には身体のなかで多くの障害に結びつい

ている可能性があります。

 この特集は、臨床に日夜奮闘している医師や心理栄養学者などの報告を中心にまとめてみました。

 

2.砂糖の構造:砂糖とご飯の吸収はこんなに違う

 一概に「糖」といっても、たくさんの種類の糖があり、一つ一つはグルコース、フルクトー

ス、ガラクトースなどと呼ばれていて、人間はこのうちグルコースという糖をエネルギー源と

して使います。血液中には常に一定量の糖(血糖=80~110mg/dl)が存在し、心臓や脳、筋肉

などの各組織で使われています。

 ご飯に含まれるでんぷんは、グルコースがたくさん結びついてできています。それに対し砂

糖はグルコース1個と、フルクトース1個が結びついただけの、簡単な構造をしています。ご

飯と砂糖の吸収過程を簡単な模式図で表してみましょう。(図1)

「砂糖は吸収がいいから、お腹が空いたときや、疲れたときにいいんだよ」と言われますが、

その理由は、構造が簡単ですぐに腸から吸収され血中に移行していくからです。

それに対してご飯を食べたときは、でんぷん質がグルーコースに分解され、完全に吸収されるまでに3時間

から4時間かかります。砂糖の方が人間にとってはいいような気がしますが、実際はどうなのでしょうか?。

 山に雪や雨が降ったときに例えて説明してみましょう。冬に雪が降って山に積もり、

春になってゆっくりと溶け始めます。川は決して増水することも渇れることもなく、一定の水量を保

つことができます。ところが梅雨時などに大雨が降ったときはどうでしょうか。

山に降った雨は一気に川に流れ込み、川は瞬時に増水します。

 雪はご飯、雨は砂糖、山は腸、川は血管と思ってください。ご飯(雪)はゆっくりと吸収さ

れますから血液中の糖の濃度(川の水量)を大きく変えることはしません。長い時間をかけて

吸収され、長い時間その効果は持続します。しかし砂糖(大雨)は瞬時に吸収されますから血

液中の糖の濃度(川の水量)は一気に増加します。(図2)

 大雨が続くと堤防は決壊して大きな被害を与えますから、川の水量は多いことがいいことではありません。

そこで何とか水量を減らして、堤防の決壊を食い止めようと消防団が必死にがんばります。

人間の血液中の糖も多いことがいいことではありませんので、血液中の消防団=インシュリンがたくさん出動し、

血糖値を下げようとします。人間にとって糖はとても大切な物質ですが、

血液中の多すぎる糖は決して有効に使われず、害にしかならないのです。

 

3.砂糖と糖尿病:過剰摂取が糖尿病の原因になる理由

 砂糖とご飯の吸収の様子が全く違うことはご理解いただけたことと思います。下図には砂糖

とご飯を食べた後の血糖値がどのように変化するかをグラフで示しました。グラフの縦軸は血

糖値、横軸は時間経過を表します。(図3)

 砂糖の摂取によって血糖値が急激に上昇すると、血糖値を下げようとして大量のインシュリ

ンが放出されます。上図の赤線のような、血糖の急激な増減があっと言う間に起こります。そ

れに対してご飯では、青線のようにあまり急激な血糖値の増減がありませんので、少しずつイ

ンシュリンが放出され、ゆっくりともとのレベルに落ち着いていきます。

人間のからだは、ホルモンの命令を酵素が受け取り化学反応を円滑に行って、一定の状態に保

っています。人間はホルモンや酵素を作り出すことができますので、それ自体はあまり重要視

されず、全く減少することがない物質のように思われてきました。しかし現在では、一生に使

える総量がある程度決まっていて、銀行の預金のように引き出すことにより使える量が少しず

つ減っていくと考えられています。

 砂糖の過剰摂取によって多量にインシュリンを消費していくと、預金残高がたくさんあるうち

(若いうち)はいいのですが、預金がなくなってしまうとインシュリンを使うことができなくなり、

糖尿病になってしまいます。預金残高は人によって異なるため、砂糖をたくさん摂っていても

糖尿病にならない人もいますし、あまり砂糖を摂っていないのに糖尿病になる人もいます。

またインシュリンそのものが悪い質の場合は、若年でも糖尿病になる可能性があります。

ご飯のようにゆっくりと吸収されていく場合は、インシュリンを多量に消費しないので、

預金残高を急激に減らすことはありません。

 砂糖の過剰摂取が、糖尿病の原因になり得ることは事実です。空腹時の摂取は、より急速な

血糖値の上昇を引き起こしますので、いろいろな問題が生じる可能性があります。

 成長期のお子さんには特に注意が必要です。

 

4.砂糖と脳:砂糖がきれる子供をつくる

 インシュリンの放出が行われた後、血糖値が正常な状態で落ち着く場合はまだいいのですが、

インシュリンの量が多すぎる場合には、正常値よりもずっと低い血糖値になってしまう場合があります(

緑色の線で表した部分)。血糖値が低いとどうなるのでしょう。(図4)

 

1)脳はエネルギーを血糖にすべて依存しているため、正常に機能できなくなります。

  いらいらや神経過敏、無気力、めまい、頭痛、眠気などの症状が現れます。

2)血糖値を上昇させようとしてアドレナリンが放出されます。アドレナリンは血糖値を上昇させる以外にも

 多くの生理作用を示しますが、「攻撃ホルモン」と呼ばれることがあるように、

かっとする時に放出さるホルモンです。さらにアドレナリンが分解されて出てくるアドレナクロムは、

 麻薬成分に含まれる物質ですので多量に存在すると正常な判断力を失う危険性があります。

 数年前に栃木の中学校で、女性の先生が生徒にナイフでめった刺しにされて殺される事件が起きました。

授業開始前にその生徒は気分が悪いと言って、保健室に行っていたそうです。

結局その先生の授業には遅刻してしまうのですが、先生はこの生徒の「甘え」と判断し、

保健室に行っていたことや授業に遅刻したことを注意したそうです。

 この生徒は1日に多量の清涼飲料を摂取していたそうですから、低血糖の状態のため気分が

悪かったのでしょう。しかし保健の先生も、教師もそれが病的な状態であるという認識はあり

ませんでした。その時、低血糖でアドレナリンが多量に放出されていたとしたら・・・。真実

は定かではありませんが、一切、砂糖や低血糖のことは報道されませんでした。

 

5.砂糖とビタミン、ミネラル:骨粗鬆症、精神異常、痴呆

○砂糖とビタミン

 砂糖はからだの中のビタミンやミネラルを食い荒らします。 「脳ビタミン」ともいわれる

ビタミンB(特にB1)は、糖を分解する過程で使われるビタミンで、脳のはたらきには欠かす

ことができません。砂糖の摂取でビタミンBを浪費しますから、子供たちが校内暴力などを起

こす原因の一つが、B1の不足であるともいえます。

 <ビタミンB1=サイアミンの役割>

1)炭水化物、でんぷん、糖質など、主なエネルギー源になる物質をエネルギーとして利用す

るはたらきを助ける。

2)脳神経や末梢神経のはたらきを調整し、筋肉の協調運動、またはバランスなどを正常に保

つような働きをする。

3)軽い利尿作用があり、体内の水分のバランスを調節し余分な水分を排泄したりする。

4)病気をしたり、手術をしたり、いろいろなストレスに遭遇した時にも、たくさんのビタミ

ンB1 が必要とされる。

○砂糖とカルシウム

 砂糖は強い酸性食品です。食品のアルカリ性や酸性はどちらがいいということではありせん

が、人間の血液はほぼ中性ですので、偏って酸性食品だけを摂取することはあまり好ましくあ

りません。動物性食品を摂取することの多い現代人の血液は酸性に傾きやすいのですが、さら

に多量の酸性食品=砂糖を摂取するとどうなるでしょうか?体内では血液の状態を中性に維持

しようと、アルカリ性のカルシウムイオンを動員します。つまり砂糖の過剰摂取によって、か

らだの中のカルシウムは骨を作るのに使われず、体外に排出されてしまいます。若い頃は問題

ないように思える砂糖の過剰摂取は、知らぬ間にカルシウムを骨から抜き取り、骨粗鬆症の下

地を作っているのではないかと考えられています。(図5)

○砂糖と痴呆

 痴呆老人に「若い頃、甘い物をよく食べていた」人が多いようです。若い頃から生活を共に

していた家族からの聞き取り調査では、83.7%の痴呆患者が「好んで甘い物を食べていた」そ

うです。 1983年スウェーデンのウメア大学痴呆研究グループの「アルツハイマー型痴呆患者

における血糖とインシュリン分泌の変化」という論文では「アルツハイマー型痴呆患者は、低

血糖の傾向が強く、糖尿病を患っている人は一人もいない」と報告されています。つまりアル

ツハイマー型痴呆は、インシュリンの預金残高は多いが(糖尿病にはなりづらいが)、インシ

ュリンの作用が強すぎて低血糖の状態が長く続き、少しづつ脳がダメージを受けた結果発症す

るのかもしれません。

 「痴呆の百科」(平凡社、長谷川和夫監修)では、「繰り返す低血糖発作や慢性持続性の低

血糖により、人格変化、記憶障害、精神病様症状を呈し、ついには痴呆状態となる。運動麻痺

、錐体外路性症候、失語症などを伴うことがある。原因疾患としては、インシュリン産生腫瘍

、巨大腫瘍が多く、脳病変は低酸素症のそれとほぼ同じである。老年者では、血糖値が正常化

したあとも回復が悪いことが多い。」という記述があり、あきらかに低血糖が痴呆の一原因で

あるとしています。砂糖大量摂取ー低血糖の反復ー脳細胞の壊死というプロセスによって痴呆

が起きる可能性は否定できません。(図6)

 

6.いろいろな病気の元:婦人科病、肝臓心臓の障害と便秘の出現

 現代医学の苦手な部分(慢性疾患、がんなど)を、食医学(食べ物の不正を直すところから

始める=食養生)を中心とした治療により成果を上げている鶴見隆史というお医者さんがいま

す。その先生の「新・食物養生法」:第三書館 という著書には、砂糖と多くの現代的疾患と

の関わりについて記述されているところがあります。その部分をご紹介しましょう。

 

「砂糖特に白砂糖はほとんど良いところがない、ほとんどありとあらゆる疾患を引き起こす可

能性のある悪しき物質といっても過言ではありません。病気になるか否かというのはその量に

比例して多くなるといっても良い程の物質こそ砂糖です。白砂糖を摂ると何故いけないか。次

の二つの出現により万病に結びつくということです。

一、強酸性としての害

二、極陰性としての害

 砂糖は相対的高カリウム血症を起こし、極陰性また強酸性であり、次の様なありとあらゆる

疾患が出現する。つまり極陰の作用として弛緩性・崩壊性の作用が強く出現する。このことは

何を物語るかといえば、一言「活性酸素」の害そのものである。この極陰性の作用として組織

は何でもかんでもゆるむことにより、また細胞の崩壊によりいろいろな病気が出現するのだ。

ゆるむので有名なのは、まず便秘であり、胃下垂、内臓下垂、遊走腎、子宮脱、子宮筋腫、肥

満。崩壊(溶血現象は小生が顕微鏡で確認)で有名なのは、心不全であり、蓄膿症、皮膚病、

浮腫、溶血性貧血である。

 強酸性の害は、とにかく細菌・ウィルスの繁殖の土壌となり、様々な疾患に結びつく。砂糖

の過食で起こる可能性のある疾患を列記すると次のよう。

・糖尿病  ・低血糖症

・ひどい便秘 高カリウム血症は腸の蠕動をなくし、ひどい便秘をまねく。

・膠原病(リウマチ、SLEその他)  ・肥満  ・高脂血症  ・脂肪肝

・心臓病 心臓病のほとんどは白砂糖の害による相対的高カリウム血症が問題となる。

・浮腫  ・子宮筋腫  ・月経困難  ・不妊  ・婦人科疾患  

・冷え性=微小循環不良  ・流産  ・めまい  ・メニエール氏病

・子宮内膜症  ・湿しん(アトピー)  ・奇形児出現  ・全ての皮膚病

・アルツハイマー  ・老年痴呆  ・腎臓病、腎障害  ・肝障害、肝炎

・アレルギー性鼻炎  ・胃炎、腸炎、膵炎、肺炎、胆肝炎  ・癌

・脳卒中  ・痔  ・脱疽  ・高血圧症  

・関節炎、その他すべての痛み  ・脱毛、白髪  ・膀胱炎  ・腎盂炎

・胆石、腎石  ・骨粗鬆症  ・白内障  ・緑内障

・気管支炎  ・菌血症  ・易感染症  ・水虫(白せん菌)

・歯槽膿漏、虫歯  ・蓄膿症  ・中耳炎  ・外耳炎

・耳鳴り  ・難聴  ・あらゆる神経疾患

・パーキンソン病

砂糖の大量摂取で異常のような(つまりありとあらゆる)疾患に結びつきます。とにかく全く

良いことのない食物の最たる物質、それが白砂糖です。」

 砂糖だけがこれらの疾患の原因とはいえないと思いますが、大きく関わっていることは間違

いないでしょう。陰性とか陽性という表現は中医学やマクロビオテイックで使われる表現です

が、理にかなった素晴らしい考え方です。詳しくはいつか特集してご説明しますが、陰性食品

とはからだを冷やす作用のある食品のことです。

 

7.砂糖とダイオキシン

 次に砂糖を別の側面から見てみましょう。工業的に生産され精製されていく過程で、白砂糖

はむかしの黒砂糖とは栄養素以外の部分でも性質が悪くなっているのです。

 下図は1998年に東京都衛生局が行ったダイオキシン類の調査結果です。(表1)

 ダイオキシンは1つの物質ではなく、少し構造が違う親戚のような一族を数えると200 種類

以上になります。ダイオキシン類という表現は、この200 種類以上の同族すべてを差します。

この調査では、ダイオキシン類のうち毒性の高い方から数えて、17番目までを調査していま

す。よって上表のダイオキシン類の濃度は、その食品に含まれる17種類のダイオキシン類の

総和濃度を示しています。右端のTEQ換算値というのは、1番毒性の強いダイオキシンに換算

した値です。例えばダイオキシン類の総和濃度が10ppt でも、1番毒性の高いダイオキシン

の1/10の毒性ならば、TEQ換算値は1ppt と表されます。一般的にダイオキシンの危険性の比較

にはこのTEQ換算値が使われます。しかし調査対象外の残りのダイオキシン類がどんなに含まれていても、

ダイオキシンとして検出されませんから、実際は穴だらけの調査なのです。ただし危険性のあ

る食品の目安にはなります。

 精製され、濃縮された食品である砂糖菓子類、油脂は、ダイオキシン類の濃度が高くなり、

食物連鎖の上位にいる動物類は、生物濃縮されるため総和濃度、TEQ換算値ともに高くなります

(魚介、肉類、母乳)。砂糖、油脂類を使った加工食品の多い現代の食生活では、ダイオキ

シンなどの環境ホルモンの摂取が多くなる可能性があります。

(有色野菜のダイオキシン類が多いのは、農薬と深い関係があると思います。

詳しくは、農薬の特集のときにご説明いたします)

 

8.まとめ

 砂糖は身体に必要のない食品です。ただし食生活に大きな喜びを与えてくれたり、

食生活そのものを豊かにしてくれることは事実です。私自身も砂糖を全く摂取しないわけではなく、

ケーキやお菓子も食べます。健康な方は、ほどほどに上手にお付き合いしていってください。

 

1)空腹時の摂取を控える。特に朝起きて缶ジュース、缶コーヒーだけはだめ。

  お腹に食物繊維の多いものがあるときに適量を。できれば白砂糖、合成甘味料以外の甘みを。

2)体調の悪いとき、アレルギー症状のある人は極力避ける。風邪をひいたとき、

食欲がないからといって甘い物だけを食べるようなことはしない。

ウィルス性の疾患では砂糖はウィルスのえさになってしまう。

3)味覚形成期、離乳期に甘みの強いものを与えない。微妙な味覚が形成されるのを妨げる。

 

 

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