河北省との友好40周年記念し知事を団長に県日中友好訪中団派遣(7/31~8/4)

 ◇北京市と河北省を訪問、友好協力継続を確認

 
 日中平和友好条約45周年と長野県河北省友好県省締結40周年を記念して阿部守一知事を団長に西堀正司県日中友好協会副会長を副団長とする長野県日中友好訪中団一行60名は7月31日から8月4日まで、北京市と河北省石家庄市などを訪れました。台風5号の影響による洪水被害が広がる中でしたが、中国側の適切な対応により友好と親善を深めることができました。

北京市では、北京市長や中国スキー協会、中国人民対外友好協会、中日友好協会を表敬し、懇談しました。またウインタースポーツ愛好者を対象に観光プロモーションを行いました。中国人民対外友好協会、中日友好協会主催の歓迎宴では、林松添会長、程永華常務副会長から親しく歓迎を受けました。また協会団メンバーは長野ラジオ孔子学堂の協定先中国伝媒大学を訪問し熱烈歓迎されました。

河北省では、王正譜省長との会談は豪雨災害の対応のため電話会談となりましたが、両者は、友好提携40周年にあたり青少年を中心とした冬季スポーツの交流促進などで一致。対面で会談した金喗副省長からは、製造業や農業、ハイテク技術の交流・連携が呼び掛けられました。40周年祝賀歓迎宴に先立って交流座談会が行われ両県省のPRビデオや両県省代表のあいさつに引き続いて、友好協会、経済界や大学、行政、スキー分野の代表からの今後の交流推進の提案などがなされ有意義なものとなりました。歓迎宴も心のこもった温かい雰囲気の中で行われました。

 今回の訪中団には、阿部知事と佐々木祥二県会議長、知事部局(清水裕之県企画振興部長、田中達也県産業労働部長他)はじめ、丸山俊郎白馬村村長、平澤岳山ノ内町町長、碓井稔県経営者協会会長、金田一真澄長野県立大学学長、米倉真一信州大学副学長、藍葉弘之県スキー連盟副会長、県日中友好協会からは、西堀副会長ほか布施正幸・金子繁三・足立正則の各副会長、大月良則理事長ら役員会員らが参加しました。

◇ちょっと詳しく5日間友好の旅◇

 長野県日中友好協会グループは20名で編成され、4年ぶりの対面交流の喜びを胸に訪中し、友好親善に努めるとともに、コロナ禍明けの中国の今を直に体験することができました。

7月31日早朝、羽田空港で勢ぞろいした一行は、CZ648便に搭乗して、北京大興国際空港に向かいました。旅行社の趙強さんや中国伝媒大学の夏丹さんに出迎えられ、さっそく中国伝媒大学に案内されました。降り続く雨にもかかわらず、張樹庭学長や焦彧童北京市人民対外友好協会副会長らがあたたかく歓迎してくれました。張学長は、一行を熱烈に歓迎し、伝媒大学の概況を紹介しました。「1957年に設立されメディア部門の人材育成を行ってきており、メディア学部、映画演劇学部を有し18,000名の学生職員を擁する。日本とはテレ朝、日大芸術学部、電通、TBSなどと連携協力している。長野県日中友好協会との間で長野ラジオ孔子学堂の協定を結ぶとともに長野県立大学と交流協定を結んだ。ともに友好発展に努力していきたい」とあいさつ。北京市友好協会の焦副会長は「朋有り遠方より来る。また楽しからずや」「国の交わりは民の親しむにあり」などの言を引用しながら日中平和友好条約45周年にあたり、日中青少年交流を引き続き進めたいと述べました。西堀友好協会訪中団団長は熱烈歓迎に感謝の意を表した後「伝媒大学との交流は双方の努力によって成果を上げてきた。日中関係は国交正常化から50年を経過し、両国人民に益をもたらした。世界は激動しているが、人類は運命共同体であり戦争を防ぎアジアと世界の平和と繁栄のために貢献していきたい。青年交流等協力して取り組んでいきたい」とあいさつしました。プレゼントの交換の後、会場を移して歓迎宴が行われました。

8月1日は雨天のため、予定していた故宮が閉館のため、一行は天安門広場をバスの中から眺めながら、書画骨董で有名な瑠璃廠(ルリチャン)を訪れ、栄宝斉で文房四宝と有名書家の展示を参観しました。北京の銀座と言われる王府井(ワンフウチン)へ移動し、昼食は名物のしゃぶしゃぶ料理をいただきました。王府井の6階建てのショッピングモールは華やかで大勢の買い物客でにぎわっていました。日本料理店や有名ブランドの店が沢山営業していました。外に出ると両サイドの街も人であふれていました。

中国関係機関や日本大使館を訪問していた知事さんたち一行と合流して、中国人民対外友好協会・中日友好協会を表敬訪問しました。友好協会のオフィスや外国友人接待の会見室、宴会場などが庭を挟んで点在しています。歴史を感じさせる建物に入っていくと、中国人民対外友好協会名で日本国長野県阿部守一知事訪中歓迎レセプションと大書きされた鮮やかな映像看板に迎えられました。対外友好協会の林松添会長、中日友好協会の程永華常務副会長(元駐日中国大使)との会見を終えて両者に導かれて阿部知事ら団役員が入場すると大きな拍手が起こりました。

林中国対外友好協会会長は熱烈歓迎を表した後「長野県は友好の先頭を走り、長野冬季五輪の成果を活かして北京冬季五輪を支持いただいた。心より感謝したい。中国は改革開放以来数百年分の発展を遂げてきた。20回党大会の方針に沿って中国の国情に合った中国式現代化を進め、世界人類運命共同体の観点からより良い世界を目指して歩んできた。双循環、質の高い発展を目指している。中日両国はは2000年来の文化交流の歴史を持ち、世界の発展にも貢献してきた。友好的隣邦として東アジアを共通のプラットフォームしている。世界は100年に一度の大変革期を迎え、アジアの時代が訪れている。中日平和友好条約45周年にあたり共通のパートナーとして友好協力を進めていきたい。民を以て官を促し、共同発展を促していきたい。中国対外友好協会は中日青少年交流等をサポートしていく」とあいさつし乾杯しました。

阿部知事は熱烈歓迎に感謝した後「久しぶりに友人の皆様とお会いでき感動している。長野県の友好協力の成果は中国対外友好協会と中日友好協会の協力の賜物。日中両国は最も大切な友好関係であり今後も関係発展に努力していきたい。困難もあったが、知恵を出し合って乗り越えてきた。今後とも協力努力してして友好発展に尽くしていきたい。力強いご協力、ご支援を願いたい」とあいさつ。

程永華中日友好協会常務副会長は「コロナ禍を乗り越えて、懐かしい皆様とお会いできてうれしく思う。9年半の大使在任中に幾度も長野を訪れ、親密な関係と成った。中日関係は平たんではなかったが、ぶれることなく友好を進めていただいた。心から感謝したい。私も帰国後中日友好協会の常務副会長として友好に意を尽くしてきた。この2年間中日関係は困難を抱えているが、中日両国は引越しのできない間柄であり、またアジアの文化的価値観を共有している。経済的な相互依存関係も深い。明るい未来を信じて、努力していきたい」と述べました。

なごやかな懇談交流が進む中で、友好協会メンバーは感謝の意を込めて「北国の春」と「ふるさと」を歌いました。林会長、程副会長も手拍子で応じていただき、会場は大いに盛り上がりました。

8月2日、一行は北京西駅発10:05の高速鉄道G95にのって石家庄に向かいました。前日から北京に迎えに来ていただいていた河北省外事弁公室の紀竑さんと省人民対外友好協会の董彤さんに同行いただいているので、乗車待ちの人々であふれかえる駅構内も安心です。時速350km近いハイスピードで列車は1時間ほどで石家庄に到着しました。駅には省幹部の皆さんが出迎えていただきました。呂暁梅省友協執行副会長や梁国輝さんの懐かしい顔を見てしっかり握手。河北賓館に到着して小休止の後、省友好協会主催の歓迎昼食会に出席しました。

午後は河北博物院を案内され、河北省が誇る中山国の出土文物展示を参観しました。中山国は戦国時代石家庄付近を支配していた異民族の王国です。国宝級の文物が並ぶその造形美のすばらしさには目を見張るものがありました。

ホテルに戻って、長野県で研修や留学した代表15名の皆さんと知事の対面交流会が持たれました。崔慧先河北医科大学元校長は信大医学部で学び医学博士号を取得しました。劉暁軍省外事弁公室参事は信州大学人文学部に留学し、省外事弁公室主任、名古屋総領事などを務められた方ですが、長野は第2の故郷ですとあいさつされました。孫風国さんは省農林科学院対外合作処処長として活躍されてきました。阿部知事は「40周年にあたり皆さんとお会いできて大変嬉しい。未来志向で、青少年交流を進め人材を育てていきたい。皆さんはその橋渡し役」と述べ今後の活躍に期待しました。最後に全員で記念撮影しました。

全団員正装して省政府に向かいました。

当初予定されていた、王正譜省長との会談は豪雨災害の対応のため電話会談となりました。阿部知事と王省長は、両県省友好提携40周年にあたり、青少年を中心とした冬季スポーツの交流を促進することで一致。続いて対面で会談した金喗副省長からは、製造業や農業、ハイテク技術の交流・連携が呼び掛けられました。40周年祝賀歓迎宴に先立って交流座談会が行われ両県省の相互のPRビデオや両県省代表のあいさつに引き続いて、友好協会、経済界や大学、行政、スキー分野の代表からの今後の交流推進の提案などもあり有意義なものとなりました。歓迎宴も心のこもった温かい雰囲気の中で行われました。

  8月3日、阿部知事一行は早朝、石家庄国際空港から上海に向かいました。友好協会グループは、洪水のため視察参観できなくなった雄安新区の替わりに石家庄市ハイテク開発区を視察し、河北製薬などの製薬企業展示館などを参観しました。広大な規模の企業立地に感心するとともに、新型コロナ等疫病治療薬開発に掛ける意欲が感じられました。

 国際大厦の豪華版バイキング昼食会でご案内いただいた呂副会長さんや石家庄市の皆様とお別れして、石家庄駅から北京に向かいました。

北京最後の夜の晩餐会は紀竑さん、許強さん、董彤さんを交え大いに盛り上がりました。席上、小林敏さんから、「長野県でも2019年千曲川が氾濫する水害を体験しているが、河北省、北京の洪水被害もかなり甚大であると思われる。義援金を贈りたい」との提案があり、全員の賛同をいただき、15万円を集約し、紀竑さんらに省の関係部門に届けていただくよう託しました。ホテルに戻っても、友好の思い冷めやらず、滝沢・栗岩両氏の部屋に10数名が集合して“2次会”となり、大いに語り合いました。孔子学堂の縁で国際放送局の謝宏宇さんとも友情を温めました。

8月4日最終日、午前中天壇公園を参観しました。天気は晴れ、夏休みで人々があふれかえっていました。天壇は皇帝が天を祭り五穀豊穣を祈ったところで、祈年殿、皇穹宇、圓丘壇よりなっています。大理石が敷き詰められた天を祭る圓丘壇、そして濃紺の瑠璃瓦で葺かれた3層の丸屋根の祈年殿は印象的な建造物です。洪水を鎮め穏やかな天気をと心の中で祈りながら、全員で記念撮影に納まりました。

天壇を後に北京大興国際空港に向かいました。2日がかりで準備した健康チェックスマートホンを確認しながら、搭乗手続きを済ませ、CZ647便で羽田へ飛び立ちました。