下栗「囲炉裏で年越し」紀行

2000年12月31日から2001年1月1日

 

 まさに世紀末は、大晦日の朝、昔ながらの囲炉裏で年越しをしようと5名の参加者が集まった。チャリ部の同期のすえぞお、てっちゃん。後輩のたつ、tya−。そしてワタクシたけである。すえぞお氏の愛車デリカに荷物を積み、いざ出発! まずは飯田市のアルススポーツを目指す。途中、駒ヶ根名物「ソースカツ丼」を食べようとなり、昼間で時間があったので宮田村のこまゆきの湯に入り、ついでにカツ丼を食す。腹もいっぱいになり、アルススポーツへ。

 アルススポーツは「大平宿をのこす会」という会の代表をしており、飯田にある「大平宿」という旧宿場(今は廃村)の保存活動をしている。大平宿には昔の民家が保存されており、協力費2000円で泊まる事ができる。残念ながら大平宿は冬季は使えないので、今回は上村にある下栗という集落の民家を借りる事にした。アルススポーツで鍵を受け取り、薪を買って、下栗へ。

 上村は南アルプスの麓の谷間の村で、下栗はその谷をあがった斜面にへばりつくようにして民家が点在している。その景観から「日本のチロル」と呼ばれている。今回借りた民家は「辻」といい、囲炉裏の間と十畳ほどの畳の間があった。前にも下栗の来た事があったがその時は「朝日屋」という昔民宿をやっていた家でかなり広かった。今回は申し込むのが遅れたので「辻」になったのだろう。

 まだ日は落ちていないが標高が高いので結構寒いので、中にはいってさっそく囲炉裏に火をおこした。まずはやかんを火にかけ、お茶をわかした。

ほっと一息

 一息ついたところで晩飯の下拵え。今回は年越しという事もあり、大量の食料を買い込んできた。メインはモツ鍋。まずは囲炉裏に鍋をかけモツを下茹でする。なにげなくモツ鍋になったのだが、囲炉裏ではこんな風に長時間煮込む鍋がいいと思った。他の鍋の材料も切り分けておく。

ごぼうをあらう

 手持ちぶさたになったので、さっそく酒宴開始。まずは鍋ができるまで囲炉裏で焼き物を。牛肉、焼き鳥、アジの開き、スルメ、もち、にんにく、etc・・・。いろいろ用意したので各自思い思いに焼きはじめる。

アチチッ!

 

焼き鳥焼いてます

 鍋もそろそろできそうなので、次は米を炊いた。大きな釜があったので、せっかくなのでそれで炊こうとしたのだが、釜戸が見当たらない。仕方がないので囲炉裏に即席で釜戸を造り炊いてみたが見事失敗。火加減が上手く行かず、芯飯のできあがり。米もまあ炊けた事だし、いよいよ鍋へ。仕切り直しに乾杯を宴はどんどん進行していった。

メインのモツ鍋

 

鍋とお釜のご飯

 

モー、飲めないよ

 なんだかんだと、煙にまみれてついに迎えた21世紀。そう僕の24歳の誕生日でもあり、プレゼントなんかもらってしまった。いやー、皆さんありがとう。でも眠いので今夜はお開き。寝袋に入って思い思いの場所で寝た。

 夜が明けて21世紀の日の出を見ようと朝の6時30分に起床。外に出ると晴れていていい天気だが、太陽は出てくる気配はなし。そう、目の前に南アルプスは赤石岳がそびえ、日が隠れていたのだ。

初日の出は?

 

まだ昇らず

 

まだー? by おばば

 

8時過ぎ、21世紀の日の出

 

明けましておめでとうございます

 8時過ぎにようやく日が昇った。寒いので、すぐに家の中に戻りお雑煮を食す。落ち着いたので、片付け開始。ゴミをまとめ、荷物を運び、火の始末をし、床掃除。最後に鍵をかけ出発。お世話になりました。

「辻」前にて